声が小さい・恥ずかしいとき

子どもの声が小さい・人前で歌うのが恥ずかしいとき|声を大きくする前の「3つの順番」

 文:GOLDEN AGE PROGRAM 編集部/監修:たーなー先生(田中直人)

発表会が近づくと、「家では歌うのに、人前だと口しか動かない」「声が小さくて後ろまで聞こえない」というご相談が増えます。ボイストレーナー歴30年、延べ5万人以上を指導してきたたーなー先生の考え方は、大人にも子どもにも同じです。声は、安心できる場所から出てきます。この記事は、ご家庭で今日からできる3つの順番をまとめました。(声の高さや大声を出しすぎない工夫は、姉妹記事「子どもの歌声を育てるために」へ)

【答え】声が小さい子は、声を出す力がないのではなく、「いま出して大丈夫」と感じる安心がまだ育ち途中のことが多いです。順番は3つです。

  1. 安心できる場をつくる
  2. 楽しい音を一緒に出す
  3. 「1回だけ・短く」を重ねる

大きな声は、そのあとに自然についてきます。

声を大きくする前の「3つの順番」① 安心聞き手は1人だけ「歌ってくれてうれしい」▼② 楽しい音動物の声・風船ごっこまねっこから▼③ 1回だけ・短く1フレーズ10〜20秒家族 → 園・学校へ大きな声は、あとから自然についてきます

声が小さくなるのは、がんばっていないからではありません

  • 聞かれている感じが気になって、声が引っこむ
  • 間違えたくない気持ちが強くて、小さく様子をみる
  • まわりの音や声が大きい場所で、自分の声の大きさが分からなくなる

どれも成長の途中でよく見られる姿です。「もっと大きく」と言うより、「ここなら出していいよ」と伝えるほうが、声はよく出てきます。

順番① 安心できる場をつくる

  • 最初の聞き手は1人だけ(ぬいぐるみでも)。いきなり家族全員の前にしない
  • 「上手に歌って」ではなく「聞かせてくれてうれしい」と受け取る
  • 終わったら、内容より「歌ってくれたこと」をほめる(「最後まで歌えたね」)
  • 曲は、子どもが自分で選んだ1曲から

順番② 楽しい音を一緒に出す

歌の前に、声で遊びます。1回30秒で十分です。毎日の音楽あそびは「家庭でできる音楽あそび」にもまとめています。

  • 動物の声ごっこ(「にゃー」「ぞうさんの『ぱおーん』」):小さい声から大きい声へ、段をつくって
  • 風船ごっこ:息をふーっと吐いて、風船がふくらむ→「ぱーん」と小さな声ではじける
  • おうちの方が先に、少し大げさに声を出して見せる(まねっこから始める。手拍子のまねっこは「家でできるリズム遊び」に)

声の大きさを直すのではなく、「面白い音が出た!」を増やします。

順番③ 「1回だけ・短く」を重ねる

  • 歌は1フレーズ(10〜20秒)だけ。「もう1回」は子どもから言うのを待つ
  • 録音して一緒に聞く(「ここ、はっきり聞こえるね」と、よく聞こえた所を見つける)
  • 「人前」は、家族→おじいちゃんおばあちゃんとのビデオ通話→園や学校、の順に1段ずつ
  • 発表の前日は練習を増やさず、歌って楽しい1曲だけ

やさしい言い換え早見

つい言いがちな言葉こう言い換える
「もっと大きな声で!」「その声、聞こえてうれしいな。もう一度聞かせて」
「恥ずかしがらないの」「ドキドキするよね。最初は小さい声からでいいよ」
「ちゃんと歌いなさい」「どの部分がいちばん好き?そこから歌おう」

まとめ

  • 声が小さいのは、安心が育ち途中のサイン
  • 順番は 安心 → 楽しい音 → 1回だけ短く
  • 大きな声は、そのあとに自然についてくる

よくある質問

子どもの声が小さいのは、心配したほうがいいですか?

成長の途中でよく見られる姿で、安心して出せる場が増えるにつれて声も出てきます。この記事の3つの順番を、1〜2週間続けてみてください。

家では歌うのに、人前だと歌わないのはなぜですか?

聞かれている感じが気になるためです。聞き手を1人からはじめて、家族、ビデオ通話、園や学校と1段ずつ広げると、声が出しやすくなります。

「大きな声で」と言わないほうがいいですか?

「大きな声で」より、「聞こえてうれしい」と伝えるほうが声は出やすくなります。大きさは、楽しい音あそびの中で自然に変わっていきます。

何歳ごろから、この関わり方でよいですか?

幼児から小学生まで同じ順番で使えます。幼児は動物の声ごっこや風船ごっこ、小学生は好きな曲の1フレーズから始めると続けやすくなります。

GOLDEN AGE PROGRAM ではどんなふうに進めますか?

ご家庭にはオンラインでお届けしています。お子さんの年齢やご希望をうかがったうえで、声と歌の進め方をご案内します。講師は VOICE TRAINER ACADEMY で学んだ認定講師です。