声あそび
お風呂で楽しむ声あそび|響きを感じる親子の時間と五つの遊び方
お風呂では、いつもより声がまるく響きます。その響きを親子で楽しむと、声を出すことが好きになるきっかけになります。五つの声あそびを紹介します。
お風呂は、家の中でも声がよく響く場所です。壁やタイルに声がはね返り、いつもよりまるく、豊かに聞こえます。この「響き」を親子で楽しむと、子どもは自分の声が好きになり、声を出すこと自体が楽しくなります。ここでは、お風呂の時間にそのまま取り入れられる五つの声あそびを紹介します。
お風呂の声が心地よく聞こえる理由
一日の終わりに親子で声を合わせる時間は、遊びであると同時に、子どもの気持ちをほぐす時間にもなります。
お風呂場は、壁や床がかたく、水を含んだ空気で声が広がります。声が部屋の中で何度も反射するので、自分の声が長く残り、実際よりもうまく聞こえます。大人が思わず歌いたくなるのも、この響きのためです。
子どもにとっても、自分の声がはっきり聞こえる体験は新鮮です。いつもは聞き流してしまう自分の声に、「わあ、ひびいた!」と気づく瞬間は、声への興味の入口になります。無理に歌わせる必要はなく、響きを一緒に面白がることから始めます。
| 遊び | 声の出し方 | 楽しむポイント |
|---|---|---|
| 一 あーの声のばし | 長く伸ばす | 響きが残る様子を聞く |
| 二 山びこごっこ | 大人のあとにまねる | 耳で聞いて返す |
| 三 動物のなき声 | 高い・低い声を変える | 声の高さの違いを感じる |
| 四 あいうえお歌 | 五つの音で歌う | 口の形と音を結びつける |
| 五 しりとり歌 | 歌うように言葉をつなぐ | ことばとリズムを楽しむ |
遊び一:あーの声のばし
いちばん簡単な遊びです。大きく息を吸って、「あー」と長く声を伸ばします。響きが壁にはね返って、少しずつ消えていく様子を、静かに聞きます。
大人が先に見本を見せ、「どっちが長く伸ばせるかな」と軽い競争にすると、子どもは夢中になります。勝ち負けより、「長く伸びたね」「きれいに響いたね」と、聞こえた音を言葉にして伝えます。
息が続かないときは、無理をしなくて大丈夫です。湯船につかり、肩の力を抜いて、おなかがふくらむ感じで息を吸うと、自然に声が長く出ます。お湯の温かさで体がゆるむので、声も出しやすくなります。
慣れてきたら、響きの違いを探す冒険に広げてもよいでしょう。湯船の中と、洗い場、浴室の入口では、同じ「あー」でも聞こえ方が少しずつ違います。「どこがいちばんよく響くかな」と、親子で場所を変えながら探します。見つけた場所に「ひびきのいす」などの名前をつけると、毎日の楽しみになります。
遊び二:山びこごっこ
大人が短い言葉を言い、子どもがそのまま返す遊びです。「やっほー」「ぽんぽん」「おふろ、きもちいい」など、短くてリズムのよい言葉を選びます。
お風呂場は声が響くので、本当の山びこのように聞こえます。大人が小さな声で言い、子どもも小さな声で返す。次に大きな声で言い、大きな声で返す。声の大きさを変えながら遊ぶと、聞く力と声を調節する力が同時に育ちます。
子どもが慣れてきたら、役割を交代します。子どもが先に言い、大人が山びこになります。子どもは、自分の言葉が返ってくる面白さを、全身で感じます。
山びこは、タオルを口の前にかざして遊ぶ方法もあります。声がタオルにやわらかく当たって、いつもと違う音になります。タオルを離したり近づけたりすると、声の聞こえ方が変わることにも気づけます。身近な物で音の違いを試す経験は、耳を育てる大切な時間です。
遊び三:動物のなき声で高さ・低さを変える
子猫の高い声、くまの低い声、ぞうの太い声。動物になりきって声を出すと、声の高さを変える練習になります。お風呂の響きの中では、低い声は特に深く、高い声は明るく聞こえるので、違いがはっきり感じられます。
- 大人が動物の名前を言う。
- 子どもがその動物のなき声を出す。
- 大人が「もっと低いのは?」「もっと高いのは?」と聞く。
- 子どもが好きな動物を選び、大人が当てる。
声の高さが出しにくいときは、声に合わせて手を上げ下げすると、感覚をつかみやすくなります。高い声は手を上に、低い声は手を下に動かすだけで、声のイメージが体とつながります。
遊び四:あいうえお歌と、遊び五:しりとり歌
「あいうえお」を、一音ずつ好きなメロディで歌う遊びです。「あー」は大きく口を開けて、「いー」は口を横に広げて、「うー」は唇をすぼめて、というように、口の形を見せ合いながら進めます。響きの中では、口の形で声の色が変わるのがよく聞こえます。
しりとり歌は、言葉をつなぐ遊びに節をつけたものです。「りんご」「ごりら」「らっぱ」と、歌うように言葉をつなぎます。大人が簡単な節を作って、「りーんーごー、ごーりーらー」と歌えば、子どもも同じ節で続けます。ことばの終わりと始まりに耳を澄ませるので、言葉への感覚が自然に育ちます。
言葉が思いつかないときは、お風呂にあるもの、たとえば「せっけん」「あひる」「シャワー」「タオル」から始めると続けやすくなります。どちらの遊びも、長くやる必要はありません。気分がのっているうちに切り上げると、次のお風呂が楽しみになります。
歌が好きな子には、お風呂専用の「今日の一曲」を決める方法もおすすめです。毎日同じ歌を歌うと、体を洗う、流す、湯船に入るといった流れと歌が結びつき、お風呂の時間がスムーズになります。歌が終わったらお風呂あがり、という合図にもなります。
数日たったら、歌の速さを変えてみます。ゆっくりだと眠くなるような気持ちのよい歌になり、速くすると元気いっぱいの歌になります。同じ歌でも速さで気持ちが変わることを、子どもは遊びの中で体験できます。
お風呂で声あそびをするときの工夫
楽しく続けるための工夫をまとめます。
- のぼせないよう、湯船につかる時間と、声あそびの時間を分けて短めに。
- 水分をとる時間も大切にし、お風呂あがりに飲み物を用意しておく。
- 家族や近所の迷惑にならないよう、声の大きさは「お風呂の声」でほどほどに決める。
- 滑りやすい場所なので、立ち上がる動きは控えめにして、座って遊ぶ。
お風呂あがりには、「今日の声、どうだった?」と軽く聞いてみましょう。「ひびいた」「たのしかった」といった短い返事で十分です。自分の声を振り返る習慣は、のちに歌ったり、人前で話したりするときの土台になります。
子どもが「今日はやりたくない」というときは、無理に誘わず、大人が一人で気持ちよさそうに歌ってみせるだけで構いません。大人が楽しむ様子を見て、子どものほうから輪に入ってくることがよくあります。
声や歌のことを相談してみませんか
GOLDEN AGE PROGRAMは、幼児から小学生のための「声・音楽・英語で話す力」のプログラムです。声と歌では、無理のない声の出し方と歌う楽しさを大切にしています。声の指導はたーなー先生のメソッドが基になっていて、講師はVOICE TRAINER ACADEMYで学んだ認定講師です。家庭にはオンラインで全国から、幼稚園・保育園・学校には導入の相談から対応しています。子どもの声や歌について聞いてみたいことがあれば、まずは希望をうかがうところから始められます。