リズムあそび
体が楽器になる ボディパーカッション|親子で楽しむ四つの音と遊び方
手拍子、ひざ打ち、足ぶみ、指ぱっちん。体の四つの音を組み合わせると、道具がなくてもリズムの合奏ができます。親子や園で楽しめる遊び方です。
ボディパーカッションは、手・足・ひざ・指など、自分の体を楽器にして音を出す遊びです。道具はいりません。まず「パチン(手)」「ポン(ひざ)」「トン(足)」「パッチン(指)」の四つの音を覚え、組み合わせてリズムを作ると、親子でも園のクラスでも楽しい合奏になります。ここでは、はじめの一歩から、友だちと合わせる遊びまでを順番に紹介します。
体の四つの音を見つける
最初のステップは、体のどこからどんな音が出るかを探す遊びです。「どこから音が出るかな?」と問いかけ、子どもに自由に試してもらいます。大人が先に答えを教えず、子どもが見つけた音を「その音、いいね」と認めるところから始めると、子どもの発見する気持ちが育ちます。
| 音の名前 | 出し方 | 音の感じ |
|---|---|---|
| パチン | 両手を合わせて打つ | 明るくはっきりした音 |
| ポン | 手でひざを軽くたたく | まるくやわらかい音 |
| トン | 足で床を踏む | 低くどっしりした音 |
| パッチン | 指を鳴らす(難しければ胸を軽くたたく) | かわいい小さな音 |
指鳴らしは幼児には難しいので、胸を軽くたたく音に置き換えて構いません。形にこだわらず、「自分で音が出せた」という楽しさを大事にします。力いっぱいたたく必要はありません。体を痛めないよう、軽く気持ちのよい強さで出す約束を、遊びの始めに決めておくと安心です。
一つの音でまねっこ遊び
四つの音が出せるようになったら、まず一つの音だけで、まねっこ遊びをします。大人が「パチン、パチン」と二回打つと、子どもが同じ「パチン、パチン」を返します。これは、聞いてから返す遊びで、耳とリズムの感覚を育てます。
- 大人が二回、同じ音を打つ。子どもがまねをする。
- 大人が三回に増やす。子どもがまねをする。
- 音を「パチン、ポン」と変える。子どもがまねをする。
- 子どもが先に打ち、大人がまねをする(役割を交代する)。
子どもが先生役になると、自分でリズムを考える楽しさが生まれます。大人は、わざと少し間違えて「あれ?」と首をかしげると、子どもが「違うよ、こうだよ」と教えてくれて、盛り上がります。間違いを笑いに変える雰囲気が、挑戦する気持ちを支えます。
音を組み合わせて「うた」にする
次は、四つの音を並べて短いリズムの「うた」を作ります。言葉と組み合わせると覚えやすくなります。たとえば、子ども自身の名前や好きな食べ物の言葉を使います。
| 言葉 | 音の並び | ひとこと |
|---|---|---|
| りんご(三つの音) | パチン・ポン・ポン | 言葉の音の数に合わせる |
| バナナ(三つの音) | トン・パチン・パチン | 足から始めると力強い |
| おにぎり(四つの音) | パチン・ポン・トン・ポン | 四つ全部を使う |
言葉の音の数に合わせて音を決めるだけなので、大人がその場で考えられます。子どもに「自分の名前だったら何の音がいいかな」と聞くと、真剣に考えてくれます。できあがったリズムは、四回続けて打ってみましょう。くり返すと、一つの小さな曲のように聞こえてきます。
慣れてきたら、リズムに合わせて言葉も一緒に言います。体で打ちながら声を出すと、声と体がそろう感覚が生まれます。これは、のちに歌ったり、人前で話したりするときにも役立つ土台です。
親子で合奏する:二つのパートに分かれる
リズムの「うた」が作れたら、親と子で二つのパートに分かれて合わせます。ここが、ボディパーカッションのいちばん楽しい場面です。
- ずっと同じ係:大人が「トン、トン、トン、トン」と、足でゆっくり同じ拍を刻み続ける。
- のせる係:子どもが、自分で作ったリズムを、その上にのせて打つ。
土台のリズムがあると、子どもは自分の音が曲の中に入っている感覚を味わえます。二つの音が重なって聞こえたとき、子どもの顔がぱっと明るくなる瞬間があります。ずれてしまっても、止めずに続けるのがコツです。「そろったね」「ずれても大丈夫、また合わせよう」と声をかけ、続ける楽しさを伝えます。
きょうだいがいる家庭では、年上の子が土台、年下の子がのせる係、と分けるのもおすすめです。年上の子は支える役を、年下の子は自由に出す役を、それぞれ楽しめます。
音楽に合わせて打つ
家にある好きな曲に合わせて打つ遊びにも広げられます。曲を流して、まずは「パチン」だけで、拍に合わせてゆっくり手をたたきます。曲のどこで音が盛り上がるか、耳を澄ませながら聞くと、聞く力も育ちます。
曲のはじめは土台の拍、サビは自由に好きな音、というように、場面ごとに役割を決めると、子どもは「次はどうしよう」と考えながら参加できます。曲のテンポが速い場合は、無理に全部の拍を打たず、二拍に一回だけ打つ形にして、気持ちよく続けられる速さで楽しみます。
歌と組み合わせるなら、短い歌のサビだけを選ぶと進めやすいです。「サビは足ぶみ、ほかは手拍子」のように決めるだけで、一曲がまるで合奏になります。
園・学童・集団で楽しむ工夫と育つもの
クラスなど人数が多い場面では、大人が一つの音を示し、全員でまねをする「まねっこ」が役立ちます。慣れたら、二つのグループに分け、片方が足ぶみの土台、もう片方が手拍子で重ねる形に進みます。
集団で進めるときの工夫を、いくつかまとめます。
- 最初は円になって座り、全員の動きが見えるようにする。
- 合図は声ではなく、大人の手の動きにして、静かに聞く時間をつくる。
- 速さは、いちばんゆっくり打つ子に合わせる。
- 終わるときは「せーの」でそろえて止め、止まる気持ちよさを味わう。
止まる合図をそろえる遊びは、聞き合う力につながります。「みんなで一緒に止まれたね」という体験が、クラスの一体感になります。
ボディパーカッションは、リズムの感覚だけでなく、耳で聞く力、体を動かす力、友だちと合わせる気持ちを、同時に育てます。ゴールデンエイジといわれる時期の子どもは、見たもの聞いたものをぐんぐん吸収します。体で感じたリズムは、のちに歌ったり楽器を弾いたりするときの、頼もしい土台になります。
うまく打てるかどうかより、一緒に音を出して楽しい気持ちを共有することを大切にしてください。毎日五分、夕食前などに体を動かす時間として取り入れるだけで、少しずつ音のレパートリーが増えていきます。雨の日の室内や、待ち時間のすきま時間にも、道具なしですぐに始められるのが、この遊びの心強いところです。
声や音楽のことを相談してみませんか
GOLDEN AGE PROGRAMは、幼児から小学生のための「声・音楽・英語で話す力」のプログラムです。内容には、耳とリズムを遊びの中で聞き分けるものもあります。声の指導はたーなー先生のメソッドが基になっていて、講師はVOICE TRAINER ACADEMYで学んだ認定講師です。家庭にはオンラインで全国から、幼稚園・保育園・学校には導入の相談から対応しています。リズムや音楽の取り入れ方について聞いてみたいことがあれば、まずは希望をうかがうところから始められます。