耳とリズム

子どもの耳を育てる音あそび|高い・低い・大きい・小さいを聞き分ける

 文:GOLDEN AGE PROGRAM 編集部/監修:たーなー先生(田中直人)

音を聞き分ける力は、遊びの中でそっと育っていきます。高い・低い、大きい・小さいなど、四つの聞き分けを楽しむ音あそびをまとめました。

子どもの耳を育てるには、「高い・低い」「大きい・小さい」「長い・短い」「速い・ゆっくり」という四つの違いを、遊びの中で何度も聞き比べるのが近道です。難しい道具は必要ありません。声、手拍子、身の回りの物の音があれば、今日からでも始められます。大切なのは、正解を急がず、「あれ、いまの音はどうだった?」と興味を引き出すことです。

GOLDEN AGE PROGRAMでは、「耳とリズム」を柱のひとつにして、音の高さやリズムを遊びの中で聞き分ける時間を大切にしています。この記事では、その考え方をもとに、家庭や園で取り入れやすい音あそびをご紹介します。

耳を育てるとはどういうことか

「耳を育てる」とは、音をただ聞くだけでなく、違いに気づき、自分の声や体で表せるようになることです。ゴールデンエイジといわれる時期の子どもは、見たもの聞いたものを驚くほどの速さで吸収するといわれています。だからこそ、この時期にたくさんの音と楽しくふれる経験が大きな意味を持ちます。

耳の育ちは、歌うことにもつながります。聞き分けられるようになると、自分の声を聞きながら、高さや大きさを調整する楽しさが生まれます。声と耳は、遊びの中で行き来しながら育っていきます。

難しく考えず、音との「かくれんぼ」を楽しむ気持ちで取り組んでみましょう。子どもが「いまの音、おもしろい!」と感じる瞬間を、大人が一緒に喜ぶことが、いちばんの栄養になります。

四つの聞き分けと遊び方の一覧

聞き分け遊びのイメージ使うもの
高い・低い声で「ぴよぴよ(高い)」「ぞうさん(低い)」を言い分ける声だけ
大きい・小さい手拍子を大きく、小さく。聞こえるかな?と問いかける手、机、床
長い・短い声を「あーーー」と伸ばす、「あ」と短く切る声、手を動かす
速い・ゆっくり足踏みの速さを変えて、動物になりきる体、広い場所

まずは、一つの聞き分けを数日続けて遊び、慣れたら次のペアに進むのがおすすめです。いくつも同時に遊ぼうとせず、ひとつずつ丁寧に味わうほうが、子どもの中に音の感覚が定着しやすくなります。

高い・低いを遊ぶ

高さの違いは、動物や乗り物の声にたとえると、幼い子にも伝わりやすくなります。小鳥は高い声、くまは低い声、というふうに、イメージと音を結びつけてみましょう。

  1. 大人が「ぴよぴよ」と高い声を出し、子どもが同じ高さで真似をする
  2. 次に「のしのし」と低い声を出し、同じように真似をしてもらう
  3. 高い声が出たら手を上に、低い声が出たら手を下に動かして、体でも高さを感じる
  4. 慣れたら、大人が目を閉じて、子どもが出した声が高いか低いかを当てる

声の高さは、まねしやすい動きと組み合わせると、ぐっと身近になります。階段を上がるように声を高くして、おりるように低くする遊びは、小学生にも人気です。

大きい・小さいを遊ぶ

声の大きさの調整は、歌うときの表現につながる大切な感覚です。「大きい声」だけでなく、「そっと小さい声」を楽しめるようになると、声の使い方がぐっと豊かになります。

  • 「こっそり遊び」:内緒話をするように、小さな声で歌ってみる
  • 「山登り」:だんだん大きく、だんだん小さくなる声を、山の形で表す
  • 「ひそひそ当てクイズ」:小さな声で言った動物の名前を当てる
  • 「大きな拍手・小さな拍手」:合図に合わせて、手拍子の大きさを変える

小さな声は、恥ずかしがり屋の子にも参加しやすい遊びです。「小さくてもいいよ」と伝えると、声を出す入口が広がります。静かな声から楽しめると、声を出すことへの気持ちが軽くなります。

長い・短い、速い・ゆっくりを遊ぶ

長さや速さは、リズムの感覚と直結しています。体を動かしながら、拍の感覚を身につけていきましょう。

遊びやり方広げ方
のばしてスパッ声をのばして、合図でパッと止める止まる位置を大人と子どもで競う
動物の歩きゾウはゆっくり、ウサギは速く足踏みする音楽の速さに合わせて動物を変える
まねっこ手拍子大人の手拍子を聞いて、同じリズムで返す子どもがお手本役になる
電車ごっこ走り出す、ゆっくり止まる、を声と動きで表す駅名を歌にして、リズムを楽しむ

まねっこ手拍子は、年齢を問わず続けられる遊びです。最初は簡単な二つ打ちから始め、慣れたら少しずつ長くしていきます。子どもがお手本役になると、大人の拍を聞くより、自分でつくる楽しさが加わって、さらに集中が深まります。

身の回りの音をさがす|おうちの音さんぽ

家の中や散歩の道は、音の宝庫です。耳をすませて音を探す時間をもつだけで、聞き分ける力が自然に育ちます。

たとえば、「いま、何の音が聞こえるかな」と目を閉じて、30秒ほど静かに聞いてみましょう。冷蔵庫の音、外の鳥の声、時計の音など、普段は気づかない音が見つかります。見つけた音は、「高い音? 低い音?」「長い音? 短い音?」と、四つの聞き分けで言葉にしてみると、遊びがぐっと広がります。

見つけた音を声でまねするのも楽しい遊びです。音を聞いて、声で再現する、この繰り返しが、聞く力と声を出す力を結びつけます。

遊びを続けるための声かけ

場面声かけの例ねらい
子どもが答えを間違えた「そう聞こえたんだね。もう一回聞いてみよう」間違いを責めず、聞く楽しさを保つ
うまく声が出ない「いまのは小さい声だったね。次は大きくしてみようか」状態を言葉にして、次の挑戦につなげる
飽きてしまった「じゃあ、今度は〇〇さんが先生役だよ」役割を交代して、新鮮な気持ちにする

年齢によって、楽しみやすい遊びは少しずつ変わります。次の表を目安に、お子さんの様子に合わせて選んでみてください。

年齢の目安楽しみやすい遊び大人の関わり方
幼児動物の声まね、足踏みの速さ変え、手拍子のまねっこ一緒に動きながら、大げさに楽しむ
小学校低学年音さんぽ、高い低いのクイズ、拍手の大きさ変え出題役を子どもにも任せる
小学校高学年リズムの組み合わせ、音の長さを合わせる遊び、歌の速さ変えグループで競わず、合わせる楽しさを大切にする

きょうだいや友だちと一緒に遊ぶと、「相手の音を聞いて合わせる」という経験が加わります。順番にお手本役をつとめたり、二人で呼びかけ合ったりすると、聞くことと出すことが自然に行き来します。遊びが定着してきたら、好きな歌の中で「ここは高い? 低い?」と探してみると、いつもの歌が新しい発見に満ちた時間に変わります。

遊びは短く、楽しいうちに終えるのがコツです。「もう少しやりたい」と思うくらいで切り上げると、次の日も自分から「またやろう」と言ってくれます。

耳と声を育てる時間を、もっと本格的に楽しみたい方は、GOLDEN AGE PROGRAMにご相談ください。講師は、VOICE TRAINER ACADEMYで学んだ認定講師で、声の指導はたーなー先生のメソッドが基になっています。家庭はオンラインで全国から受講できます。プログラムの内容はGOLDEN AGE PROGRAMのサイトでご覧いただけます。ご相談はお問い合わせフォームから、LINEでもどうぞ。

よくある質問

何歳から音あそびを始められますか?

幼児から小学生まで楽しめます。年齢に合わせて、声や手拍子を中心に、短い時間から始めてみてください。

音を間違えても大丈夫ですか?

大丈夫です。間違いを直すより、聞く楽しさを味わうことを大切にして、何度も遊びましょう。

楽器は必要ですか?

声、手拍子、身の回りの音があれば始められます。楽器がなくても十分に楽しめます。