家庭の音楽あそび
家族だけのおうちコンサートの開き方|準備から当日の進行まで
家の居間を小さなステージにして、家族の前で歌ってみる。人前で表現する第一歩として、ちょうどよい大きさの舞台です。
おうちコンサートは、「演目を二つか三つ決める」「会場に目印を作る」「始めと終わりのあいさつを決める」の三つがそろえば、三十分ほどで開けます。観客は家族だけなので、気負わずに挑戦できるのが魅力です。子どもにとっては、人前で歌う、話す、表現する、という一連の流れを、安心できる場所で体験できる貴重な機会になります。この記事では、準備、プログラムの作り方、会場の整え方、当日の流れ、終わったあとの振り返りを順に紹介します。
おうちコンサートを開く意味
人前で歌うことは、子どもにとって大きな挑戦です。園や学校の発表会は、緊張する場面も多く、本番でうまく声が出ないこともあります。
家族だけの小さなコンサートなら、失敗しても笑って受け止めてもらえるため、挑戦のハードルがぐっと下がります。「聞いてもらえてうれしい」という経験を重ねるうちに、人前で表現することが楽しい時間に変わっていきます。
準備の過程にも学びがあります。何を歌うか選ぶ、順番を考える、あいさつの言葉を練習する。こうした一つひとつが、表現する力につながります。GOLDEN AGE PROGRAMでも、声と歌から表現と舞台へと、遊びの中で一歩ずつ進むことを大切にしています。おうちコンサートは、家庭でできる、最初の舞台の形です。
準備その一|演目を決める
演目は、二つか三つが目安です。たくさん用意すると、準備も本番も疲れてしまいます。
- 得意な歌を一つ:安心して歌える曲を選びます。ふだんの遊びの中で、いちばんよく歌っている曲が候補です。
- 家族で歌う歌を一つ:観客も一緒に歌える曲を入れると、場が一体になります。みんなが知っている歌を選びましょう。
- 挑戦の一曲:少し新しいことに挑戦したい場合は、動きをつけた歌や、詩の朗読などを入れてもよいでしょう。歌わなくても、お話や手遊びでも立派な演目です。
子どもが選べるように、候補を二、三曲出して、そこから決めてもらいます。自分で決めた演目は、練習にも気持ちが入ります。
準備その二|プログラムとあいさつを作る
演目が決まったら、順番を決めて、簡単なプログラムを紙に書きます。
| 順番 | 内容 | 担当 |
|---|---|---|
| 一 | はじめのあいさつ | 司会(子どもでも大人でも) |
| 二 | 得意な歌 | 主役の子ども |
| 三 | 家族みんなで歌う歌 | 全員 |
| 四 | 挑戦の一曲 | 主役の子ども |
| 五 | おわりのあいさつと拍手 | 司会と観客 |
プログラムには、子どもが好きな絵やシールを貼ると、手作りの味わいが出ます。小学生なら、自分で字を書いて作ってもらうと、準備の楽しさが増します。
あいさつの言葉も、事前に練習します。「今日は来てくれてありがとうございます。一曲目は、○○です。聞いてください」と、短い言葉で十分です。歌い終わりのあいさつも決めておきましょう。話し出しと終わりが決まっていると、緊張しやすい子も落ち着いて進められます。
練習は、本番の一週間ほど前から、一日に一度だけ、短く行いましょう。長く続けると、飽きたり、疲れたりしてしまいます。歌う前に、立つ位置、あいさつ、礼の仕方を確かめるだけでも、本番の安心感が大きく変わります。家族が観客役になって、本番と同じ流れで一度通してみる「リハーサル」を一度挟むと、当日の緊張がやわらぎます。
準備その三|会場を整える
特別な道具は必要ありません。居間の一角を、ステージに見立てます。
- ステージの目印:床にテープで線を引く、座布団を敷く、カーペットの端を使うなど、立つ場所をはっきりさせます。
- 観客席:ステージに向かって、椅子や座布団を並べます。家族全員が、見やすい位置に座れるようにします。
- 看板やポスター:「おうちコンサート」と書いた紙を壁に貼ると、特別な雰囲気になります。子どもが描いた絵を添えると、より楽しい空間になります。
- 音の用意:伴奏の音源を使う場合は、再生の準備をしておきます。スマートフォンやスピーカーの音量を、事前に確認しておきましょう。
衣装を用意してもよいでしょう。特別な服でなくても、お気に入りの帽子やスカーフを一つ身に着けるだけで、気持ちが切り替わります。
当日の流れ|三十分の進行例
- 開演前の声ならし(五分):全員で深呼吸をして、軽く声を出します。「あー」「うー」と、ゆっくり声を出すだけで、緊張がほぐれます。
- はじめのあいさつ(二分):司会がコンサートの始まりを告げます。拍手で迎えましょう。
- 演目(十五分):子どもの歌と、家族みんなで歌う歌を、順番に進めます。一曲ごとに、拍手を送ります。
- おわりのあいさつ(二分):子どもからお礼の言葉を伝えます。最後に全員で大きな拍手をします。
- 感想タイム(五分):観客から、よかったところを一つずつ伝えます。
時間はあくまで目安です。子どもの様子を見ながら、短くしたり、長くしたりして構いません。途中で歌えなくなったときは、無理に続けず、「休けいしよう」と声をかけて、ほかの演目に移ってもよいのです。
当日、観客の家族ができること
観客の役割は、子どもの挑戦を受け止めることです。次の三つを心がけてください。
- 最後まで見る:スマートフォンや家事の手を止め、舞台に体を向けます。
- 拍手を惜しまない:歌い終わったら、すぐに大きな拍手を送ります。うまくいったかどうかに関係なく、挑戦した気持ちを受け止める拍手です。
- 直さずに楽しむ:音程や歌詞の間違いを、その場で指摘しないようにします。間違えても続ける姿勢を、あたたかく見守りましょう。
感想を伝えるときは、「声がよく聞こえたよ」「笑顔がよかったね」のように、具体的に伝えます。改善点より、よかった点を一つだけ伝えるのが、次の意欲につながります。
楽器の演奏や手遊び、お話、ダンスなど、歌以外の演目を加えると、コンサートの幅が広がります。きょうだいで役割を分けて、一人は歌、一人は手拍子で伴奏、といった合同の演目もおすすめです。それぞれが得意なことで参加できると、全員が主役になれる時間になります。
終わったあとの振り返りと、次への広げ方
コンサートが終わったら、写真や動画を撮っておくと、あとで一緒に見返せます。映像を見ながら、「ここがよかったね」「次はこうしたいな」と話すと、子どもの気づきが深まります。
次回に向けて、アイデアを出し合うのも楽しい時間です。「今度は、きょうだいで一緒に歌おう」「新しい歌に挑戦しよう」と、家族で相談してみてください。月に一度、季節ごとなど、決まった時期に開くと、家庭の楽しみとして定着します。
家庭での発表に慣れてきたら、園や学校の行事、地域の催しなど、より大きな舞台への挑戦も視野に入ってきます。家庭で積んだ経験は、そのときの落ち着きと自信になります。
声と表現の力を、さらに伸ばしたいときは
GOLDEN AGE PROGRAMは、幼児から小学生のための、声・音楽・英語で話す力を育てるプログラムです。声と歌、耳とリズム、英語で話す、表現と舞台という四つの柱で、遊びの中で一歩ずつ進みます。2025年には、伊豆山の市民ミュージカルに伊豆山小学校の子どもたちも参加しました。家庭ではオンラインで全国から参加できます。
年齢や気になること、目標にしたい行事の日をうかがって、始め方を一緒に考えます。ご相談はお問い合わせフォームまたはLINEから受け付けています。
よくある質問
何歳くらいから開けますか?
幼児から小学生まで、年齢に合わせて楽しめます。小さな子は短い歌や手遊びを一つだけ、年長から小学生は演目を二つか三つにすると進めやすくなります。
子どもが人前で歌いたがらないときは?
無理に歌わせず、観客席で聞く側から参加してもらいましょう。まず司会やプログラム作りなど、歌以外の役割から始める方法もあります。
伴奏がなくても開けますか?
開けます。手拍子や、声だけで歌う形でも、十分に楽しめます。