家族の音楽時間

卒園・入学のお祝いに歌を贈る|家族で準備する小さな歌の会の進め方

 文:GOLDEN AGE PROGRAM 編集部/監修:たーなー先生(田中直人)

卒園や入学は、子どもの成長を家族で喜ぶ大切な節目です。歌を贈る小さな会を開くと、その日の気持ちが声と一緒に思い出に残ります。

卒園や入学のお祝いに、家族で歌を贈る小さな会を開くと、節目の日がやさしい思い出になります。立派な発表にする必要はありません。子どもが好きな歌を選び、家族みんなで声を合わせ、最後に「おめでとう」と伝えるだけで、十分に心に残る時間になります。ここでは、準備から当日の流れまでを、順番に紹介します。

歌を贈る会が思い出に残る理由

子どもにとって、節目の日の記憶は、写真や言葉だけでなく、音や声と一緒に残ります。数年後に同じ歌を聞いたとき、あの日の部屋の空気や家族の笑顔がふっと思い出される。そんな体験は、歌ならではの力です。

子どもが見たもの聞いたものを驚くほどの速さで吸収する時期は、ゴールデンエイジといわれています。家族の声に包まれてお祝いされる時間は、「自分は大切にされている」と感じられる、あたたかな思い出になります。会は短くて構いません。十五分ほどの小さな会でも、子どもの心にはしっかり届きます。

準備すること目安の時期ひとこと
歌を選ぶ一週間ほど前子どもの好きな歌を第一に
替え歌や一言を考える数日前家族で一行ずつ持ち寄る
場所と飾りを整える前日折り紙の飾りなど手作りで
一度だけ通して歌う前日短く、笑いながら

歌の選び方:三つの視点

選曲で迷ったら、次の三つの視点で考えてみてください。

  • 子どもが好きな歌:いちばん確かなのは、本人がすでに口ずさんでいる歌です。知っている歌は、声を出す気持ちが自然に高まります。
  • みんなで歌える歌:祖父母や兄姉も一緒に歌えるよう、誰もが知っている童謡や、短くくり返しの多い歌が向いています。
  • 節目に合う言葉の歌:「ありがとう」「ともだち」「あした」「大きくなる」といった言葉が出てくる歌は、お祝いの気持ちを乗せやすいです。

難しい歌や長い歌を選ぶ必要はありません。一番だけ歌う、サビだけ歌う、という形でも、立派な贈りものになります。音程が不安な大人は、歌が上手かどうかより、笑顔で一緒に声を出すことを大切にしてください。子どもは、大人が楽しそうに歌う姿をいちばんよく見ています。

替え歌でメッセージを贈る

選んだ歌の言葉の一部を変えて、お祝いの言葉に仕立てる替え歌は、手作りの贈りものとして喜ばれます。作り方は簡単です。元の歌のメロディはそのままにして、言葉の数を合わせて、子どもへの一言を入れます。

  1. 選んだ歌の歌詞のうち、入れ替えたい一行を決める。
  2. その行の言葉の数(音の数)を数える。
  3. 同じ数になるよう、子どもの名前や、がんばったことを入れる。
  4. 家族で声に出して歌い、歌いにくいところを直す。

たとえば、卒園なら「みんなと遊んだ思い出を」、入学なら「ランドセルしょって歩くよ」のように、その子ならではの場面を一行入れます。家族それぞれが一行ずつ考えて持ち寄ると、全員からのメッセージになります。祖父母にお願いして、電話やビデオ通話で一行だけ参加してもらう方法もあります。

言葉の数がぴったり合わなくても心配いりません。歌いながら少し早口にしたり、伸ばしたりすれば、自然に収まります。直すのに疲れたら、替え歌にせず、歌い終わったあとに口で一言ずつ伝える形にしても十分です。

きょうだいが小さい家庭では、歌う順番に「手拍子係」「鈴の代わりに空き容器を振る係」など、役割をつくると全員が参加できます。歌えない赤ちゃんも、家族の声に囲まれて、会の一員として一緒にお祝いできます。

飾りつけは、折り紙で作った輪つなぎや、子どもが描いた絵を壁に貼るだけで、ぐっと会らしくなります。子ども自身に飾りを作ってもらうと、準備の時間も楽しい思い出になります。

当日の流れ:十五分のプログラム

当日は、短く、わかりやすい流れにします。長くなると、子どもが飽きてしまうからです。

順番内容時間の目安
一はじめの言葉(今日はおめでとうの会)一分
二みんなで歌う一曲目(子どもの好きな歌)三分
三替え歌のプレゼント三分
四家族から一言ずつ四分
五子どもが選ぶ最後の一曲三分

最後の一曲を子どもに選んでもらうのがポイントです。お祝いされる側が、会の最後を決める役になると、受け身ではなく、自分の会という実感がわきます。リクエストされた歌が家族の知らない歌でも、一緒に聞いて手拍子を添えれば、それで素敵な時間になります。

スマートフォンなどで録音や録画をしておくと、あとで一緒に見返せます。ただし、撮ることに夢中になって、歌うほうがおろそかにならないよう、撮影係を一人決めておくと安心です。

声に出して気持ちを伝える家族の言葉

家族の一言をあらかじめ紙に書いておくと、緊張せずに伝えられます。書いた紙は、あとでノートに貼って残せます。

歌のあとの「一言」は、会の中心になる大切な時間です。長い挨拶は必要ありません。具体的な場面を一つ入れるだけで、気持ちがまっすぐ届きます。

  • 卒園:「毎朝、自分でくつをはけるようになったね。おめでとう」
  • 入学:「新しいお友だちと会えるのが楽しみだね。応援しているよ」
  • きょうだいから:「いっしょに遊んでくれてありがとう」

こうした言葉は、台本を読むのではなく、顔を見て、ゆっくり、声に温度をのせて伝えます。子どもが照れて下を向いても大丈夫です。声はちゃんと届いています。

子どもからも、お返しに一言か一曲もらえると、会がさらに温かくなります。ただし、無理にやらせる必要はありません。「歌いたくなったら、いつでもいいよ」と選べる余地を残し、自然に歌い出すのを待ちましょう。

会のあと、子どもが「もう一回歌って」と言ったら、それは大成功のサインです。気持ちが残っているうちに、もう一曲だけ歌って、ゆっくり終わりにしましょう。余韻のある終わり方が、また次の機会を楽しみにする気持ちにつながります。

思い出を残して、次の節目につなげる

会が終わったら、その日に歌った歌の名前と、子どもの一言を、ノートに書き残しておきます。「卒園の日の歌:〇〇。子どもの一言:またみんなで歌いたい」というくらいの短さで構いません。

次の節目、たとえば進級や誕生日に、同じノートを開いて「あのとき、この歌を歌ったね」と話すと、歌が家族の物語としてつながっていきます。声や歌のある暮らしは、子どもの表現する力の土台にもなります。節目ごとに歌う習慣が、毎年の小さな楽しみになります。

声や歌のことを相談してみませんか

GOLDEN AGE PROGRAMは、幼児から小学生のための「声・音楽・英語で話す力」のプログラムです。声と歌では、無理のない声の出し方と、歌う楽しさを大切にしています。声の指導はたーなー先生のメソッドが基になっていて、講師はVOICE TRAINER ACADEMYで学んだ認定講師です。家庭にはオンラインで全国から、幼稚園・保育園・学校には導入の相談から対応しています。子どもと歌う時間について聞いてみたいことがあれば、まずは希望をうかがうところから始められます。

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