家庭の音楽あそび
祖父母と一緒に楽しむ歌あそび|世代をこえて歌う集まりの過ごし方
おじいちゃん、おばあちゃんが知っている歌と、子どもが好きな歌。その二つをつなぐと、集まりの時間が、世代をこえて笑い合える音楽の時間になります。
祖父母と孫が一緒に歌って遊ぶコツは、「おじいちゃん、おばあちゃんの歌」と「子どもの歌」を、交互に歌う時間にすることです。どちらかに合わせるのではなく、順番に主役を交代する形にすると、年の差があっても全員が楽しめます。帰省や家族の集まりのときに、十五分から二十分の音楽タイムを設けるだけで、世代をこえた会話が自然に広がります。この記事では、曲の選び方、遊びの流れ、年齢差のある場での工夫を紹介します。
世代をこえて歌うと、何が生まれるのか
祖父母と孫は、知っている歌がまったく違います。ところが、一緒に歌う場を作ると、その違いが会話のきっかけになります。「その歌、どんなときに歌っていたの?」という質問から、昔の暮らしや思い出話が始まることも少なくありません。
子どもにとっては、自分の知らない歌を聞くことが、新しい音との出会いになります。ゴールデンエイジと呼ばれる時期の子どもは、見たもの聞いたものを驚くほどの速さで吸収するといわれています。祖父母の歌声は、その吸収の素材として、とてもあたたかいものです。
歌を通して世代をつなぐ取り組みは、地域でも広がっています。たとえば、熱海カラオケGPは「歌を通した世代間交流で新たなコミュニティをクリエイトする」ことを掲げて2024年に創設され、第1回は3日間で10,000人が参加しました。家庭の小さな音楽タイムも、同じ考え方の延長にあります。
曲を選ぶ三つの視点
全員が歌える曲を見つけるのが最初のステップです。次の視点で候補を出してみましょう。
- 季節の歌:お正月、桜、夏祭り、紅葉など、季節の歌は世代を問わず知られています。集まりの時期に合う歌を選ぶと、場の雰囲気もぴったり合います。
- 手遊び歌:歌詞と動きがセットになっている歌は、言葉がうまく出なくても、動きで参加できます。祖父母が子どものころに遊んだ手遊びを教えてもらうのもよい方法です。
- わらべうたや唱歌:短くてくり返しの多い歌は、年齢差があっても覚えやすい材料です。祖父母が先に歌い、子どもが後から続けると、自然にそろいます。
事前に、祖父母に「子どものころによく歌った歌は?」と聞いておくと、当日の準備がぐっと楽になります。家族のメッセージで、候補を二、三曲集めておくだけで十分です。
集めた曲は、短い順に並べておくと流れが作りやすくなります。最初に手遊び歌のような短い曲を置き、気持ちがほぐれたところで少し長い歌へ進み、終わりは全員が知っている歌で締めます。小さな子は長い歌の途中で集中が切れやすいので、長めの歌のあとには、立って体を動かす短い歌を入れて、気分を切り替えましょう。
十五分でできる、音楽タイムの流れ
- ならし:手拍子で簡単なリズムを打ちます。「パン、パン、パパン」のくり返しなど、全員でまねできる形がおすすめです。
- 祖父母の歌を一曲:祖父母が選んだ歌を、まず歌ってもらいます。子どもは聞く側ですが、サビや決まった言葉だけ一緒に声を出す役割をつけると、参加しやすくなります。
- 子どもの歌を一曲:今度は子どもが好きな歌の番です。祖父母には聞き役になってもらい、歌い終わったあとに、拍手と感想を伝えてもらいます。
- 手遊び歌:祖父母が教える手遊び歌を、全員で一緒にやります。動きがそろったとき、場がいちばん盛り上がります。
- みんなで一曲:最後に、全員が知っている歌を一緒に歌って終わります。終わりの歌を決めておくと、音楽タイムの区切りがつきます。
当日までの準備|家族でそろえておくもの
音楽タイムは、特別な道具がなくても始められます。ただ、次の準備をしておくと、当日の流れがなめらかになります。
- 歌詞の紙:歌う予定の曲の歌詞を、大きめの文字で書いて貼っておきます。祖父母も子どもも見やすく、歌詞を忘れても安心です。
- 座る場所の配置:全員が顔を見合わせられるように、円になって座ります。小さい子は祖父母の隣に座ると、手遊びを教えてもらいやすくなります。
- 音を出す小道具:手作りのマラカス、空き箱のたいこ、お盆とスプーンなど、身近なもので十分です。音を出す役割があると、歌が苦手な人も参加しやすくなります。
- 記録の係:写真や録音をとる係を決めておくと、全員が歌に集中できます。あとで見返すと、集まりの大切な思い出になります。
祖父母には、事前に「上手に歌わなくて大丈夫、子どもは一緒に歌ってもらえるだけでうれしい」と伝えておくと、気軽に参加してもらえます。主役は上手さではなく、一緒に声を重ねることです。
年齢差のある場で気をつけたい工夫
| 場面 | 工夫 |
|---|---|
| 歌の速さが合わない | 最初は一番ゆっくりな人に合わせ、だんだん速める。数えるリズムを手拍子で先に打つと、速さがそろいやすい |
| 音の高さが合わない | 全員が出しやすい高さを探して、歌い出しの音を決める。低めから始めると、大人も子どももついていきやすい |
| 歌詞が分からない子がいる | 歌詞を大きな紙に書いて見せる。子どもには、くり返しの部分だけ声を出してもらう |
| 小さい子が集中できない | 歌の途中に、立つ、回る、手をたたくなど、体を動かす場面を入れる |
| 祖父母が遠慮している | 「この歌を教えて」と、お願いする形にすると、気持ちよく引き受けてもらえる |
祖父母が歌うことに慣れていないときは、歌わなくても参加できる役割を用意するのもおすすめです。手拍子を打つ、楽器の代わりにお盆をたたく、拍子をとって数えるなど、さまざまな関わり方があります。
歌ったあとのひとことも大切にしましょう。祖父母が「上手だったね」「その歌、おじいちゃんも好きだよ」と伝えてくれると、子どもは認められた喜びを感じて、次の歌にも自分から手を挙げるようになります。子どもからも「その歌、もう一回聞きたい」と、祖父母に感想を返す習慣をつけると、お互いの歌への関心が深まります。
遠くに住む祖父母と歌うときは
離れて暮らしている祖父母とは、ビデオ通話で歌う時間を作ることもできます。通話では声が少し遅れて届くため、全員で同時に歌うより、順番に歌う形が向いています。
- 通話の最初に、短い歌を一曲、子どもが歌って聞かせる
- 祖父母が歌を返す。子どもは画面の向こうで手拍子を打つ
- 最後に、決まった言葉で「またね」の歌を歌う
通話の様子を録音や録画で残しておくと、あとで家族みんなで見返せます。子どもは自分の声が祖父母に届いたことを実感でき、次に歌う意欲にもつながります。
子どもの声や音楽の力を伸ばしたいときは
家族との歌の時間は、子どもが人前で声を出すことに慣れる、ほどよい練習の場にもなります。GOLDEN AGE PROGRAMは、幼児から小学生のための、声・音楽・英語で話す力を育てるプログラムです。声と歌、耳とリズム、英語で話す、表現と舞台という四つの柱で、遊びの中で一歩ずつ進みます。家庭ではオンラインで全国から参加できます。
お子さんの年齢や気になることをうかがって、始め方を一緒に考えます。ご相談はお問い合わせフォームまたはLINEから受け付けています。
よくある質問
祖父母が歌を知らないと言うときはどうすればよいですか?
手遊び歌や季節の歌など、短い歌から始めてみてください。歌わなくても、手拍子や拍子とりで参加できる役割を用意すると、気軽に加われます。
年の離れた子どもたちが一緒でも楽しめますか?
楽しめます。動きを入れたり、くり返しの部分だけ声を出す役割を作ったりすると、年齢が違っても全員が参加できます。
遠くに住む祖父母とも、できますか?
ビデオ通話で、順番に歌う形がおすすめです。声が少し遅れて届くので、同時に歌うより交代で歌うほうが合います。