発表の準備
学習発表会のセリフを声で練習する|家で楽しく進める三つのステップ
セリフは暗記の前に「声の遊び」から始めると、子どもが自分から言いたくなります。家で楽しく進める三つのステップをまとめました。
子どものセリフ練習は、覚えさせる前に「声で遊ぶ」ところから始めると、楽しく進みます。紙を見て何度も繰り返すより、一つのセリフをいろいろな声で言ってみるほうが、子どもの口から自然に言葉が出てくるからです。ここでは、学習発表会や園の劇に向けて、家でできる三つのステップを紹介します。
セリフ練習がうまくいく考え方
セリフは、文字を覚える作業ではなく、気持ちを声にのせる表現です。「ありがとう」の一言でも、うれしい声、びっくりした声、小さくつぶやく声では、まったく違って聞こえます。この違いを遊びの中で体験すると、子どもは「どう言えばいいか」を自分で見つけるようになります。
GOLDEN AGE PROGRAMでは、聞く・歌う→話す→表現する、と遊びの中で一歩ずつ進めることを大切にしています。セリフ練習も同じ流れで考えると、無理がありません。まず聞いて、声に出して、最後に表現する。この順番を家庭にもそのまま持ち込めます。
| ステップ | やること | ねらい |
|---|---|---|
| 一 | 聞く:大人が読み聞かせる | セリフの音とリズムになじむ |
| 二 | 遊ぶ:声色や速さを変えて言う | 気持ちと声を結びつける |
| 三 | 表現する:体の動きと一緒に言う | 舞台に近い形で言ってみる |
ステップ一:まず耳で聞いてなじむ
台本を子どもに渡す前に、大人が声に出して読んであげます。このとき、棒読みにならないよう、場面の気持ちを少し大げさに声にのせるのがコツです。子どもは、大人の読み方を聞いて「こう言うんだ」と感じ取ります。
読み聞かせは、一度に長くやらなくて大丈夫です。お風呂あがりや、おやつの前など、毎日の決まった場面で、自分のセリフの前後だけを一、二回読みます。何日か続けるうちに、子どもが口の形だけで一緒に言い始めたら、なじんできたサインです。
字が読める小学生なら、台本に自分で好きな色の線を引いてもらうのもおすすめです。自分のセリフに色がつくと、「自分の出番」という意識が生まれます。幼児は、セリフを絵にして、冷蔵庫など目につく場所に貼っておくと、通りかかるたびに口にするようになります。
ステップ二:声色を変えて遊ぶ
セリフが耳になじんだら、同じ一言をいろいろな声で言う遊びに進みます。次のようなお題を出して、親子で順番に言ってみましょう。
- 気持ちのお題:うれしい、おこった、さみしい、びっくり、ワクワクの声で言う。
- 大きさのお題:ないしょ話の声、教室で話す声、遠くの友だちを呼ぶ声で言う。
- 速さのお題:ゆっくりおじいさんの速さ、ふつうの速さ、急いでいる速さで言う。
- キャラクターのお題:王さま、ねこ、ロボットになったつもりで言う。
この遊びの良いところは、正解がないことです。子どもが変わった声を出したら、「いまの声、おもしろいね」と笑って受け止めます。ふざけているように見えても、声の幅を広げている大切な時間です。
親が一緒にやると、子どもはさらに乗ってきます。大人が思い切って大げさな声を出すと、「もっとやって」とせがまれることも少なくありません。上手に言わせようとするより、親子で笑いながら声を出す雰囲気づくりを優先してください。
ステップ三:体と一緒に言ってみる
声色で遊べるようになったら、体の動きを加えます。セリフは、立って、手や顔を使って言うと、声が前に出やすくなります。じっと座って小さくなっているより、体が開いているほうが、声も自然に大きく届きます。
家でできる動きの例を、場面別にまとめました。
| セリフの場面 | 動きの例 | 声のポイント |
|---|---|---|
| 呼びかける | 手を口の横に当てて前へ出す | 遠くへ届ける気持ちで |
| よろこぶ | 両手を上にあげて体をゆらす | 語尾を明るく上げる |
| ふしぎに思う | 首をかしげて目を大きくする | ゆっくり間をとる |
| お願いする | 胸に手を当てて少し前かがみ | やさしく丁寧に |
鏡の前で言ってみるのも楽しい方法です。自分の顔や動きが見えると、「こうしたらもっとおもしろい」と子ども自身が工夫を始めます。家族の前で一度だけ通して言い、拍手をもらう小さな発表会も、舞台の前のよい練習になります。
棒読みになるときの直し方
練習が進むと、覚えた安心から、すらすら言えるのに気持ちが乗らない「棒読み」になることがあります。そんなときは、注意するより質問するのがおすすめです。
「このとき、どんな気持ちかな?」と聞くと、子どもは場面を思い浮かべて答えてくれます。「うれしい」と答えたら、「じゃあ、うれしい声で言ってみようか」と声をかけます。直すのではなく、本人が見つけた気持ちを声にのせてもらう流れです。
もう一つの方法は、相手役になることです。大人が相手のセリフを言い、子どもが返す形にすると、会話として言う感覚が生まれます。独り言のように言うより、相手に向けて言うほうが、声に表情が出ます。
声が小さくなってしまうときは、いきなり大きくさせようとせず、まず「ないしょ話の声」を何度も楽しんでから、少しずつ大きな声の遊びへ移ります。小さな声が出せることも、立派な表現の一つです。
セリフが長い子には、一つの文を息の区切りで分けて練習する方法もあります。「むかしむかし、」「あるところに、」と短く区切って言い、区切りごとにゆっくり息を吸います。間があると聞く人にも伝わりやすく、子ども自身も落ち着いて言えるようになります。区切りの場所には、台本に小さな丸印をつけておくと目で確かめられます。
本番までの過ごし方と声かけ
本番が近づくと、親のほうがそわそわしてしまうものです。ここで大切なのは、練習を「やらされるもの」にしないことです。毎日の練習は短く、五分ほどで切り上げます。子どもが「もっとやりたい」と思う手前で終えると、翌日も自分から始めてくれます。
声かけは、結果ではなく、見えたことを伝えます。
- 「今日の王さまの声、前より堂々としていたね」
- 「最後の手の動き、セリフにぴったりだったよ」
- 「大きく息を吸ってから言えていたね」
こうした声かけは、子どもに「見てもらえている」という安心を届けます。前日は、通し練習を一度だけ軽く行い、あとはゆっくり休む時間にします。当日の朝は、「楽しんでおいで」と送り出すだけで十分です。
友だちと一緒に出る劇なら、他の子のセリフも一緒に聞いておくと安心です。自分の出番の前に何が聞こえるかを知っていると、タイミングをつかみやすくなります。家では、家族が他の役を担当して、順番に言い合う練習をしてみましょう。
舞台に立つ経験は、子どもにとって大きな自信になります。伊豆山では、2025年の市民ミュージカルに伊豆山小学校の子どもたちも参加しました。声と体で表現する楽しさは、家での小さな遊びから育っていきます。
声や表現のことを相談してみませんか
GOLDEN AGE PROGRAMは、幼児から小学生のための「声・音楽・英語で話す力」のプログラムです。声の指導はたーなー先生のメソッドが基になっていて、講師はVOICE TRAINER ACADEMYで学んだ認定講師です。家庭にはオンラインで全国から、幼稚園・保育園・学校には導入の相談から対応しています。発表や表現について聞いてみたいことがあれば、まずは希望をうかがうところから始められます。