続けるコツ
子どもの歌や音楽の習慣が続かないとき|飽きたサインと立て直し方
子どもが音楽に飽きたように見えるのは、終わりではなく切り替えの合図です。サインの見分け方と立て直しの手順を紹介します。
子どもが歌や音楽に飽きたように見えたら、「やめさせるか、続けさせるか」で考える前に、「遊び方を変えるタイミングが来た」と受け止めてみてください。音楽そのものに飽きたのではなく、やり方に慣れて刺激が足りなくなっているだけ、ということも少なくありません。この記事では、飽きたサインの見分け方、原因の整理、遊び方を変える具体的な方法、立て直しの手順を紹介します。
飽きたときに出る、五つのサイン
子どもは「飽きた」と言葉にしないことが多く、態度でサインを出します。次のような様子が見えたら、立て直しを考えるタイミングです。
| サイン | 見られる様子 |
|---|---|
| 始めるのを渋る | 「あとで」「いやだ」が増える |
| 集中が続かない | 途中で立ち歩く、別のものを触る |
| 声が小さくなる | 前は元気に歌っていたのに、口だけ動かす |
| 同じ遊びばかり選ぶ | 新しいことを提案しても乗ってこない |
| 終わりを気にする | 「もう終わり?」と何度もたずねる |
一つだけなら、その日の体調や気分の可能性もあります。二つ三つと重なって、数日続くようなら、遊び方の見直しを考えてみましょう。
飽きる原因を、四つに分けて考える
原因一:やり方が毎回同じ
同じ歌を同じ順番で歌うだけだと、子どもには「いつものこと」になります。安心感があるのは良い面ですが、変化がないと刺激が足りなくなります。
原因二:難しすぎる、または簡単すぎる
できないことが続くと、子どもは自信をなくします。逆に、簡単すぎると、挑戦する楽しさがなくなります。ちょうどよい難しさは、「少し頑張ればできそう」な範囲です。
原因三:やらされている気持ちになっている
「今日の練習はやったの?」と声をかけられ続けると、音楽が宿題に変わってしまいます。自分で選んでいる感覚が薄れると、気持ちが離れやすくなります。
原因四:疲れや、生活リズムのずれ
学校や園での疲れが残っている時間帯は、集中が続きません。時間帯を変えるだけで、子どもの表情が変わることもあります。
遊び方を変える、五つの方法
原因が見えたら、小さな変化をつけてみましょう。大きく変える必要はありません。
- 順番を変える:いつもの歌を、最後ではなく最初に歌ってみる。
- 場所を変える:リビングではなく、ベランダ、玄関、お風呂、公園など、声のひびく場所で歌ってみる。
- 役割を変える:子どもが「先生役」になり、親が生徒になって歌う。
- 道具を足す:手作りのマラカスや、お鍋のふたのシンバルなど、音の出るものを加える。
- 聞く時間にする:歌わない日を作り、一緒に好きな曲を聞いて、感想を話す。
試してほしいのが、三つ目の役割交代です。教える側に回ると、子どもは自分が持っている力に気づき、意欲が戻ってくることがあります。親は、わざと間違えたり、「教えて」と頼んだりしてみましょう。
立て直しの手順を、一週間で組み立てる
飽きたときは、やり方を一度リセットする「お休みと再スタート」の週間を作る方法があります。例を紹介します。
- 一、二日目:音楽の時間をお休みする。何もしないで、子どもの様子を見る。
- 三日目:子どもが好きな曲を一緒に聞く。感想は聞かなくてよい。
- 四日目:子どもに「どんなことをしてみたい?」とたずねて、一つ選んでもらう。
- 五日目:選んだ遊びを、十分間だけやってみる。
- 六、七日目:楽しかった点を話し、次の週の計画を一緒に決める。
お休みすることに不安を感じる保護者もいますが、数日の休みで子どもの気持ちが整うことは珍しくありません。「また歌いたい」という気持ちが自然に戻ってくるのを待つ時間は、長く続けるための助走になります。
年齢によって、立て直しの工夫を変える
| 年齢の目安 | 飽きやすい理由 | おすすめの工夫 |
|---|---|---|
| 幼児(三、四歳) | 集中できる時間が短い | 一曲を短く区切り、動きや手遊びを入れる |
| 年長から小学校低学年 | 友だちとの関係や、学校生活で疲れやすい | 好きな曲を自分で選ぶ時間を作る |
| 小学校中学年以上 | 「できる・できない」を気にし始める | 評価を入れず、自分で録音して聞く楽しみを加える |
わが家のプレイリストを作る
子どもが自分で曲を選べる仕組みとして、「わが家のプレイリスト」作りがおすすめです。好きな曲を五曲選んで、紙に曲名とイラストを描き、冷蔵庫にはっておきます。その日に歌いたい曲を子どもが指さして選べば、「やらされる」感覚が「選んでいる」感覚に変わります。曲は一週間ごとに入れ替えて、季節の歌やお祭りの歌、家族の思い出の歌なども加えると、毎週の楽しみになります。
できたことを「見える形」にする
カレンダーに、歌った日だけシールをはる方法も、続ける力になります。上手かどうかではなく、歌った日にシールがはえていく喜びを味わえるからです。数日あいてしまっても、空白を責めず、「また再開できたね」と声をかけましょう。シールがたまっていく様子を家族で眺める時間も、小さな楽しみになります。
親の声かけで、気持ちは変わる
立て直しの時期に、親が使う言葉はとても大切です。言い換えの例を、次の表にまとめました。
| つい言ってしまう言葉 | こう言い換える |
|---|---|
| 「ちゃんと練習しなさい」 | 「今日はどの歌を聞かせてくれる?」 |
| 「前はもっと上手だったのに」 | 「前に歌っていた歌、また聞きたいな」 |
| 「やらないなら、やめなさい」 | 「どうしたら楽しくなりそうかな?」 |
| 「ほかの子は頑張っているよ」 | 「あなたのペースで大丈夫だよ」 |
子どもは、親の言葉の裏にある気持ちを敏感に感じ取ります。比べる言葉や急かす言葉を、聞きたい、見たいという言葉に変えるだけで、家の中の空気がやわらかくなります。
親自身が楽しんでいる姿を見せる
子どもは、親が楽しんでいるものに興味を持ちます。家事をしながら鼻歌を歌う、車で好きな曲に合わせて体を揺らす、そんな何気ない姿が、いちばんの誘いになります。「一緒にやろう」と誘うより、先に親が楽しんでしまう方が、子どもは自分から近づいてきます。上手に歌う必要はありません。楽しそうな声が、家の中にあることが大切です。
うまくいった日を書きとめる
ノートに「今日、笑った場面」を一行だけ書きとめておくと、飽きた時期に見返して、どんな遊びが子どもに合っていたかを思い出せます。振り返ったときに、「あの遊び、また試してみよう」と、新しい手がかりが見つかります。
外の力を借りるという選択
家庭だけで立て直すのが難しいときは、外の力を借りるのも一つの方法です。親が相手だと甘えが出る子も、別の大人が相手だと、素直に声を出せることがあります。
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よくある質問
飽きたサインが出たら、すぐにやめた方がよいですか。
すぐにやめず、遊び方を変えることから試してみてください。順番、場所、役割を変えるだけで、気持ちが戻ることがよくあります。
休ませる期間はどのくらいがよいですか。
数日から一週間ほどお休みして、子どもの様子を見る方法があります。その間も、好きな曲を一緒に聞く時間はおすすめです。
子ども本人が「やりたくない」と言うときは。
まず理由を聞いてみてください。時間帯、難しさ、遊び方の三つに分けて考えると、手がかりが見つかります。