声の遊び

絵本の読み聞かせに声と音をそえるコツ|家庭と園で使える工夫

 文:GOLDEN AGE PROGRAM 編集部/監修:たーなー先生(田中直人)

読み聞かせは、声の使い方を少し変えるだけで、子どもの目が絵本に吸い寄せられます。家庭でも園でもすぐ使える、声と音のそえ方をまとめました。

読み聞かせを楽しくするコツは、「声の高さ」「速さ」「間」の三つを場面に合わせて少しだけ変えることと、子どもと一緒に出せる効果音を一つ用意することです。大げさな演技や特別な技術は必要ありません。登場人物ごとに声の高さを変え、盛り上がる場面で速さを上げ、ページをめくる前に一呼吸おく。それだけで、子どもの集中は驚くほど変わります。この記事では、準備の仕方、場面ごとの声の変え方、効果音の工夫、子どもが参加する方法を紹介します。

読み聞かせで声を工夫する意味

絵本の読み聞かせは、子どもが言葉と出会う大切な時間です。声の表情が豊かだと、言葉の意味が伝わりやすくなり、物語の世界に入りやすくなります。

声の工夫は、読む人にとっても楽しいものです。「今日は、くまさんの声を低くしてみよう」と考えるだけで、いつもの絵本が新鮮に感じられます。その楽しそうな様子が、子どもにも伝わります。

GOLDEN AGE PROGRAMでは、声と歌、耳とリズム、表現を遊びの中で育てていきます。読み聞かせは、その要素がすべて入った、家庭や園で取り組みやすい活動です。

読む前の準備|下読みで決める三つのこと

初めて読む絵本は、本番の前に一度、声に出して読んでおきましょう。次の三つを決めるだけで、読み方が見違えます。

  • 登場人物の声の高さ:主人公は普通の高さ、大きな動物は低め、小さな動物や赤ちゃんは高めというように、大まかに分けておきます。細かい演技は不要で、高いか低いかが分かれば十分です。
  • 盛り上がる場面:物語の中で、いちばん気持ちが動く場面に印をつけておきます。そこに向けて、声の速さや大きさを少しずつ変えていきます。
  • 効果音を入れる場所:「ドンドン」「ぴょーん」のような擬音語がある場面は、子どもと一緒に声を出せる好機です。事前に決めておくと、入れるタイミングを迷いません。

下読みでは、気持ちが変わる場面にえんぴつで小さな印をつけておくと便利です。「ここから速く」「ここで一呼吸」「ここは小さな声」と、余白にメモを足すイメージです。本番の途中で迷わないための地図になります。何度も読む絵本ほど、印が増えて、読む人ならではの一冊に育っていきます。

声の三つの道具|高さ・速さ・間

道具使い方効果が出る場面
高さ登場人物や気持ちに合わせて、高い声・低い声を使い分ける会話の場面、驚きや喜びの場面
速さわくわくする場面は少し速く、しんみりする場面はゆっくり読む追いかけっこ、眠る場面、別れの場面
間ページをめくる前や、大事な言葉の前に一呼吸おくどきどきする展開、答えを待つ場面

三つの中で、特に取り入れやすいのが「間」です。次のページをめくる前に、ほんの一瞬だけ黙ると、子どもは「次はどうなるんだろう」と身を乗り出します。声を変えるのが照れくさい方は、まず間から試してみてください。

声の高さは、地声から無理に離れる必要はありません。普段の声より少し低く、あるいは少し高くするだけで、変化は伝わります。喉に力を入れて無理に声色を作ると、疲れてしまいます。楽に出せる範囲で、変化をつけましょう。

声の大きさにも幅を持たせてみましょう。ひみつの話は小さな声で、うれしいニュースは明るくはっきり、というように変えると、子どもは自然と耳をすませます。小さな声のときは、息を多めに混ぜると、ささやくように届きます。声を張り上げて読み続けると聞き疲れしやすいので、強弱の変化を心がけてください。

効果音を加える遊び

声だけでなく、体や身近な物を使って音を加えると、読み聞かせがさらに立体的になります。

  • 手拍子と足ぶみ:歩く場面は足ぶみ、ノックの場面は手でひざをたたきます。子どもが一緒にまねできるので、参加しやすくなります。
  • 声の効果音:風は「ひゅー」、雨は「ざー」、扉は「ぎぃー」と、声で表します。音の長さや高さを変えると、場面の印象も変わります。
  • 身近な物の音:紙をくしゃくしゃにして火のはぜる音、水を入れたペットボトルを振って波の音など、家にある物で作れます。

効果音は、入れすぎないことがポイントです。物語に一つか二つ、印象的な場面にだけ加えると、特別感が出ます。毎ページ音が鳴ると、子どもが物語の流れを追いにくくなってしまいます。

子どもが参加できる読み聞かせにする

読み聞かせは、聞くだけでなく、子どもが声を出して参加できると、さらに楽しくなります。

くり返しの言葉を一緒に言う

絵本の中に、同じ言葉が何度も出てくる場面があります。そこで読む人が間をおいて待つと、子どもが先に言ってくれます。「次の言葉、知ってる?」と聞くと、子どもは得意になって声を出します。

登場人物の声を子どもが担当する

慣れてきたら、お気に入りの登場人物の声を、子どもに任せます。大人がナレーションとほかの役を読み、子どもがその人物のせりふだけを言う形です。これは、物語の中で声を使って表現する、小さな舞台体験のようなものです。

読み終わったあとの感想を聞く

最後のページを閉じたら、すぐに次の行動に移らず、「どの場面が好きだった?」と一言聞いてみましょう。答えが返ってきたら、その場面を、もう一度声に出して再現してみます。感想を言葉にする習慣は、表現する力の土台になります。

年齢によって、楽しみ方の中心は少しずつ変わります。小さな子には、短い絵本とくり返しの言葉が向いています。年長から小学生になると、物語の筋を追い、登場人物の気持ちを想像する楽しみが増えるため、声の変化で気持ちを表すと、より深く物語に入っていきます。読み終えたあとに「このとき、どんな気持ちだったかな」と問いかけ、声で再現してみると、表現の遊びにも発展します。

園や集団の場で気をつけたいこと

園や教室など、複数の子どもを前にして読むときは、次の点を意識してみてください。

  • 声の届き方:後ろにいる子にも聞こえるよう、少し声を前に出す気持ちで読みます。大きな声を張るのではなく、はっきり発音して、語尾まで届ける意識を持ちましょう。
  • 絵の見せ方:子どもの目の高さに絵本を持ち、ゆっくり左右に動かして、全員に見えるようにします。
  • 反応を拾う:子どもたちが声を上げたら、「そうだね」「どうなるかな」と軽く受け止めてから、先に進みます。

集団での読み聞かせは、一人で読むときよりも、間とテンポがより大切になります。反応を待つ短い時間をとることで、全員が物語の世界に入りやすくなります。

声や表現を、もっと楽しみたいときは

GOLDEN AGE PROGRAMは、幼児から小学生のための、声・音楽・英語で話す力を育てるプログラムです。声と歌、耳とリズム、英語で話す、表現と舞台という四つの柱で、遊びの中で一歩ずつ進みます。家庭ではオンラインで全国から参加でき、幼稚園・保育園・小学校・学童には導入の相談を受け付けています。

年齢や気になることをうかがって、始め方を一緒に考えます。ご相談はお問い合わせフォームまたはLINEから受け付けています。

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よくある質問

声色を変えるのが苦手です。どうすればよいですか?

大げさな演技は不要です。まず、ページをめくる前に一呼吸おく「間」から試してみてください。声の高さは、普段より少し変えるだけで伝わります。

効果音は、どのくらい入れればよいですか?

物語に一つか二つ、印象的な場面にだけ入れると、特別感が出ます。毎ページ入れると、物語の流れを追いにくくなります。

子どもが途中で飽きてしまったら?

くり返しの言葉を一緒に言う、効果音を子どもに任せるなど、参加できる場面を作ると、集中が戻りやすくなります。