声・発表

子どもの自己紹介を声で練習する遊び方|新学期・園の発表に向けて

 文:GOLDEN AGE PROGRAM 編集部/監修:たーなー先生(田中直人)

自己紹介は、声と話す順番を整えておけば、楽しい発表になります。家庭でできる練習遊びと声かけを紹介します。

自己紹介の練習は、「話す内容を覚える」より先に、「声を出す気持ちよさ」と「話す順番の型」を整えると、ぐっとうまくいきます。名前、好きなもの、ひとことの三つを決めて、遊びの中で何度も声に出すだけで、本番の一歩目が軽くなります。この記事では、自己紹介の型の作り方、声の練習遊び、本番前の流れ、うまくいかないときの声かけを紹介します。

自己紹介で、子どもがつまずく場面

新学期、入園、クラス替え、習い事の初日。子どもが自己紹介をする場面は、思いのほか多くあります。つまずきやすいのは、次のような場面です。

つまずき子どもの中で起きていること
声が出ないみんなの視線が気になって、息が浅くなっている
何を言うか忘れる緊張で、準備した言葉が飛んでしまう
早口になる早く終わらせたい気持ちが先に立つ
下を向いてしまう聞く人の顔を見るのが、まだこわい

どれも特別なことではなく、緊張と準備の不足が重なって起きやすいことです。家庭で何度か声に出して練習しておくと、本番の安心感が大きく変わります。

三つの型で作る、自己紹介の台本

自己紹介は、長くなくて構いません。次の三つの型に当てはめると、どの年齢の子でも作りやすくなります。

  1. 名前:「わたしは○○です」と、はっきり言う。
  2. 好きなもの:「好きなものは、△△です」と、一つだけ伝える。
  3. ひとこと:「よろしくおねがいします」「一緒に遊んでね」など、相手に向けた言葉で終える。

好きなものは、答えやすいものを一つに決めておきます。食べ物、遊び、動物、色など、子どもがすらすら言えるものがいちばんです。親が決めずに、子ども自身に選ばせると、自分の言葉として声に出しやすくなります。

台本を絵にしてみる

文字が読める年齢なら、紙に三つの型を書きます。文字が苦手な幼児は、名前、好きなもの、笑顔の絵を、三枚のカードに描きます。カードを順番に見ながら話すと、言葉を忘れても、絵が助けてくれます。

年齢別の台本の例

年齢の目安台本の例
幼児「ももです。いちごがすきです。よろしくね」
年長から小学校低学年「ぼくは、はるとです。好きな遊びは、おにごっこです。みんなで遊ぼうね」
小学校中学年以上「わたしは、みおです。好きなものは、絵をかくことです。仲よくしてください」

例の名前や好きなものは、お子さんに合わせて入れ替えてください。大切なのは、短くて、はっきり言い切れる長さにすることです。長くしたくなったら、ひとこと目を足すより、声のひびきや間を丁寧にする方が、聞き手には伝わります。

話すときの姿勢と目線

足を肩幅に開き、両足の裏をしっかり床につけて立ちます。目線は、いちばん後ろの壁か、聞いてくれる人の顔の少し上に置くと、緊張しにくくなります。最初と最後だけ、聞き手の顔を見るという約束にすると、無理なく視線を上げられます。

声の練習遊び四つ

遊び一:おなかから出す「はい」の練習

手をおなかにあてて、「はーい」と、元気よく返事をします。おなかがふくらんで、へこむ感覚を確かめながら、声を出します。呼びかけられたら返事をする遊びにすると、毎日の生活の中で続けやすくなります。

遊び二:ぬいぐるみの観客

ぬいぐるみを何個か並べて、観客に見立てます。子どもは、ぬいぐるみに向かって自己紹介をします。ぬいぐるみの数を少しずつ増やすと、「たくさんの人の前で話す」感覚に慣れていきます。

遊び三:家の端と端でごあいさつ

家族が離れた場所に立って、遠くの人に届く声であいさつします。近くの人に話すときより、少し大きく、ゆっくり話す感覚がつかめます。叫ぶのではなく、「向こうの人に届けるよ」という気持ちで話します。

遊び四:声の変身ゲーム

同じ自己紹介を、「ゾウの声」「ネズミの声」「ロボットの声」で言ってみます。いろいろな声を出す経験が増えると、本番で自分の声を選ぶ余裕が生まれます。笑いながら練習できるので、緊張がほぐれる効果もあります。

本番前の五分間の流れ

  1. 背すじをのばして、ゆっくり息をすう。肩の力をぬいて、ふうっと吐く。これを三回。
  2. 口の体操をする。「あ・い・う・え・お」を、大きく口を開けて言う。
  3. 台本を一回、声に出して言う。うまく言えなくても、そのまま終わる。
  4. 最後に、親が「今日もいい声だね」と一言伝える。

この流れを、前日の夜と、当日の朝の二回行うと、安心感が増します。毎回同じ流れにすることで、「これをやったら大丈夫」という、お守りのような習慣になります。

家族が観客になる、ミニ発表会

練習の仕上げに、家族が観客になるミニ発表会を開きましょう。リビングの一角を舞台に見立て、家族が座席に座ります。子どもは舞台に立って、練習した自己紹介を披露します。終わったら全員で拍手をして、良かった点を一人ひとつ伝えます。「声が元気だった」「笑顔がよかった」「最後まで言えた」など、具体的な言葉が、子どもの自信になります。

きょうだいがいるときは、順番に全員が発表者になります。友だちや親戚が遊びに来たときに、もう一度ミニ発表会を開くと、少し緊張する場面で話す経験も積めます。回数を重ねるほど、人前で声を出す気持ちは軽くなっていきます。

緊張するのは、自然なこと

緊張は、「うまくやりたい」という気持ちの表れです。緊張しても大丈夫、と子どもに伝えてあげると、安心して舞台に立てます。親が「どきどきするよね。お母さんも、どきどきするよ」と共感すると、子どもは一人ではないと感じます。どきどきしたままでも声を出せた経験が、次の挑戦を後押しします。

うまくいかなかったときの声かけ

場面おすすめの声かけ
声が小さかった「最後まで言えたね。勇気を出したね」
途中で止まった「思い出そうとしていたね。それで十分だよ」
泣いてしまった「ぎゅっとしたい気持ちだったんだね」
うまくいった「どんな気持ちだった?」と聞いて、本人の言葉を待つ

本番のあとは、結果より、挑戦した気持ちを認める言葉をかけましょう。うまくいかなかった経験も、次の挑戦の力になります。

園や学校でも、声を出す機会を増やす

家庭の練習に加えて、園や学校でも声を出す機会があると、子どもの自信は育ちます。GOLDEN AGE PROGRAMは、幼稚園・保育園にはクラスの時間や行事に合わせた内容を導入の相談から、小学校・学童・地域の団体には、授業や発表、地域の催しに合わせた形を、場所と人数をうかがって相談しています。みんなの前で声を出す経験を、遊びの延長として積み重ねていけます。

声を育てる場を探しているなら

GOLDEN AGE PROGRAMは、幼児から小学生のための、声・音楽・英語で話す力のプログラムです。声と歌、耳とリズム、英語で話す、表現と舞台を、遊びの中で一歩ずつ進めます。講師はVOICE TRAINER ACADEMYで学んだ認定講師で、声の指導はたーなー先生のメソッドが基になっています。ご家庭ではオンラインで全国から受講できます。

回数や料金は、年齢とご希望をうかがってからご案内します。自己紹介や発表の声について、気軽にお話しください。GOLDEN AGE PROGRAMについて聞いてみる

よくある質問

自己紹介の練習は、いつから始めるのがよいですか。

本番の一、二週間前から、毎日短く声に出す方法がおすすめです。長く練習するより、楽しく短く続ける方が安心感が育ちます。

恥ずかしがりで、家でも声が出ないときは。

ぬいぐるみの観客や、声の変身ゲームなど、笑いながらできる遊びから始めてください。人に向けず、物に向けて話す練習も役立ちます。

英語の自己紹介にも使えますか。

名前、好きなもの、ひとことの三つの型は、英語でもそのまま使えます。短い言葉から、歌とことばを入り口にして楽しめます。