家庭の音楽あそび
年齢が違うきょうだいで楽しむ音楽あそび|一緒にできる遊び方
年齢が違うきょうだいでも、役割を分ければ一緒に音楽を楽しめます。おうちですぐ試せる遊びと、続けるコツを紹介します。
年齢が違うきょうだいで音楽を楽しむコツは、「同じことを同じようにやらせる」のをやめて、「同じ曲の中で、役割を変える」ことです。年上の子はリーダーや演奏役、年下の子は歌う役や動く役というように、一つの遊びに複数の出番を作ると、どちらも活躍できます。この記事では、役割の分け方、すぐできる遊び、けんかを防ぐ工夫、続けるための流れを紹介します。
年齢差があると、なぜ一緒に遊びにくいのか
年齢差のあるきょうだいの遊びで起きやすいのは、次のような悩みです。
- 年上の子には簡単すぎて、すぐに飽きてしまう。
- 年下の子には難しすぎて、「できない」と泣いてしまう。
- 年上の子が先に答えてしまい、年下の子の出番がなくなる。
- 年下の子が邪魔をしたように感じて、年上の子が怒ってしまう。
どれも、遊びの設計を少し変えれば解決できることです。簡単さと難しさの幅を一つの遊びの中に用意しておけば、年上の子には挑戦、年下の子には安心を、同時に渡せます。
役割を分けると、全員が主役になる
同じ曲を使っても、役割を分けるだけで遊びの形はがらりと変わります。次の表のように、年齢に合わせて出番を決めてみましょう。
| 役割 | 向いている子 | やること |
|---|---|---|
| うたい手 | 幼児 | 知っている部分を元気に歌う |
| 拍の係 | 小学校低学年 | 手拍子やたたく楽器で、一定の拍を刻む |
| 合図の係 | 小学校中学年以上 | 「せーの」で始めて、終わりの合図を出す |
| おどり手 | どの年齢でも | 曲に合わせて体を動かす |
| 聞き手 | 大人や親 | よかった点を言葉にして返す |
役割は、毎回交代するのがポイントです。年下の子が合図の係をやりたがったら、年上の子が横で支える。年上の子がうたい手をやりたがったら、年下の子が拍をとる。入れ替わりがあると、「自分ばかり損をしている」という気持ちが生まれにくくなります。
道具なしで始められる遊び三つ
まねっこ手拍子リレー
年上の子が短い手拍子のパターンを作り、年下の子がまねをします。次は年下の子がパターンを作って、年上の子がまねをします。年下の子のパターンが単純でも、そのままのリズムを大事にまねしてあげるのがコツです。自分のリズムが相手に届いた体験は、子どもにとって大きな自信になります。
声の大きさエレベーター
「ちいさい声、ふつうの声、おおきい声」を階段のように決めて、歌の途中で合図に合わせて声の大きさを変えます。合図の係は、手を下げれば小さな声、上げれば大きな声と、体で示します。年下の子は合図を見て声を変える練習になり、年上の子は合図を出すリーダーの練習になります。
しりとり歌
歌の最後のことばで、次の歌を探す遊びです。年上の子は歌をたくさん思い出す力、年下の子は知っている一曲を元気に歌う力を使います。年下の子が知らない歌が出てきたときは、年上の子が一節だけ歌って聞かせる時間にすると、自然に教える体験が生まれます。
生活の場面に音楽を混ぜる
特別な時間を作らなくても、毎日の生活の中に、きょうだいで楽しめる場面があります。
| 場面 | きょうだいでの遊び方 |
|---|---|
| お風呂 | 声がよくひびく場所。順番に一フレーズずつ歌って、ひびきの違いを楽しむ |
| おでかけ前の準備 | 身支度の間、好きな一曲を流して「曲が終わるまでに靴をはく」ゲームにする |
| 食事の準備 | お皿を運ぶ足どりを、曲のテンポに合わせて「ゆっくり・はやく」と変える |
| 寝る前 | ゆっくりした曲を、小さな声で一緒に口ずさむ |
年上の子を「先生役」にするときの注意
年上の子に年下の子を教えてもらうのは、きょうだいで音楽を楽しむうえで素敵な形です。ただ、年上の子ばかりが教え役になると、疲れてしまうこともあります。「今日は先生をお願いね」と親が声をかけ、終わったら「教えてくれてありがとう」と必ず言葉にして伝えましょう。教える体験は、自分の理解を深める機会にもなります。
年下の子の「まねっこ」を大事にする
年下の子は、年上の子のまねをしながら学びます。年上の子の歌い方や手拍子を、そっくりにまねしようとする姿は、一つの大切な練習です。まねがうまくいかなくても、「同じようにしようとしたね」と、挑戦したことを認める声かけが、次の意欲につながります。
けんかを防ぐ、三つの約束
遊びの前に、親子で次の約束を決めておくと、トラブルが減ります。
- 相手の出番は、最後まで見守る。
- 間違えても笑わない。うれしい笑いはよいけれど、からかう笑いはしない。
- 「やりたくない」と言ってもよい。そのときは聞き手に回る。
約束は、紙に絵と一緒に書いて、壁にはっておくと効果的です。うまくいかない場面が出たときも、親が叱る前に、子どもたち自身が約束を見に行けるようになります。聞き手に回る選択肢があると、気分が乗らない日も、無理せず同じ場にいられます。
うまくいかない日の立て直し方
きょうだいの遊びは、うまくいかない日もあります。年下の子が泣き出したら、いったん遊びを止めて、全員で深呼吸を二回。そのあと、いちばん簡単な「はじまりの歌」に戻ります。年上の子が不機嫌になったときは、合図の係を任せて、場をまとめる役に回ってもらうと、気持ちが切り替わりやすくなります。その日の出来を気にせず、「また明日やろう」と終えることも、続けるための大切な工夫です。最後に親が「みんなで音楽の時間を作れたね」と、一緒に過ごせたこと自体をほめてあげてください。
毎日続く、十分間の流れ
きょうだいでの音楽の時間は、長くやるより、短い流れを決めて毎日続ける方が定着します。例として、次のような組み立てがあります。
- はじまりの歌:いつも同じ一曲で、全員が輪になって歌う。
- 役割決め:じゃんけんで、今日の役割を決める。
- メインの遊び:まねっこ手拍子、声のエレベーター、しりとり歌から一つ選ぶ。
- ふりかえり:親が、全員のよかった点を一つずつ言葉にして返す。
はじまりの歌が毎回同じだと、子どもは「音楽の時間が始まる」と体で覚えます。忙しい日は、はじまりの歌とふりかえりだけの短縮版でも構いません。
録音して、あとで一緒に聞く
スマートフォンで遊びの様子を録音しておき、夕食の前などに家族で聞くのもおすすめです。自分の声や手拍子の音が聞こえると、子どもは目を輝かせます。きょうだいで声が重なっている部分を見つけて、「ここ、そろっていたね」と伝えると、協力する楽しさが伝わります。
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よくある質問
年齢差が大きくても、同じ時間に楽しめますか。
一つの曲の中で役割を分けると楽しめます。うたい手、拍の係、合図の係と、年齢に合わせた出番を作るのがコツです。
下の子が上の子の邪魔をしてしまうときは。
邪魔と受け取る前に、下の子にも役割を渡してみてください。出番があると、遊びの流れの中に自然に入れます。
楽器がなくても遊べますか。
手拍子、足踏み、声だけで遊べます。まねっこ手拍子リレーや声のエレベーターは、道具なしで始められます。