歌とことば

歌と言葉の関係|子どもがことばに親しむ歌の遊び方

 文:GOLDEN AGE PROGRAM 編集部/監修:たーなー先生(田中直人)

歌は、ことばをリズムとメロディに乗せて楽しめる身近な遊びです。歌とことばを結ぶ家庭の遊び方をまとめました。

歌とことばは、とても相性のよい組み合わせです。歌はメロディとリズムに乗せて同じことばを何度も口にできるので、子どもは楽しみながらことばの音やかたちに親しめます。大切なのは、効果を急がず、「歌うと楽しい」「ことばって面白い」という気持ちを育てることです。

この記事では、歌とことばが結びつく理由を整理したうえで、家庭で今日から試せる遊びと、声かけのコツを紹介します。年齢は目安ですので、お子さんの興味に合わせて選んでください。

歌がことばに親しむ入口になる理由

歌には、ことばに親しむ入口として働く特徴がいくつかあります。

  • 繰り返しが多い:同じフレーズが何度も出てくるので、自然に耳と口がなじみます。
  • リズムがついている:ことばの区切りやアクセントが、拍に乗ってはっきり聞こえます。
  • 体の動きと結びつく:手遊び歌では、ことばと動きがセットで記憶に残ります。
  • 気持ちが乗る:楽しい気持ちの中で出会ったことばは、親しみを持って受け止められます。

ことばの伸びには子どもによって幅があり、歌だけで決まるものでもありません。歌は、日常の会話や絵本、遊びなどと並ぶ、ことばに触れる楽しい場面のひとつと考えると、気持ちがラクに続けられます。

耳で楽しむ:ことばの音に気づく遊び

まずは、ことばの「音」に気づく遊びから始めます。意味を理解する前に、音の面白さを味わう段階です。

  1. 擬音語・擬態語の歌:「ぴょんぴょん」「ごろごろ」「きらきら」など、音の響きが楽しいことばを歌の中に入れて、動きとあわせて遊びます。
  2. 音の数を手で数える:「ね・こ」で2回、「うさぎ」で3回と、ことばの音を手拍子で数えます。ことばが音のかたまりでできていることに気づけます。
  3. 同じ音さがし:「さ」で始まることばを探しながら歌う、いわゆる頭音あそびです。
  4. ことばの速さを変える:同じ歌をゆっくり、速くと歌い分けて、ことばの形が変わる面白さを味わいます。

この段階では、正しく言えたかどうかを気にしなくて構いません。音を楽しみ、まねしようとする気持ちを見つけて、そっと認めてあげましょう。

口で楽しむ:言葉を入れ替える替え歌あそび

ことばに少し慣れてきたら、歌の一部を入れ替える替え歌が楽しくなります。決まった歌の形があるので、自由にことばを選ぶ練習としてぴったりです。

遊び方進め方の例広がるポイント
名前を入れる歌の登場人物を、家族や友だちの名前に変える身近な人への関心がわく
食べ物を入れる好きな食べ物や今日の給食を歌詞にする体験とことばが結びつく
反対ことば「大きい」を「小さい」に変えて歌うことばの意味の違いに気づく
お話の続き歌の続きを、子どもが自由に作る想像力と表現する力を使う

替え歌では、大人は先回りして正解を言わず、子どもが出したことばをそのまま歌にのせてあげるのがコツです。「それ面白いね、歌ってみよう」と受け止めてもらえる経験が、ことばを使う意欲を支えます。

しりとり歌のやり方

しりとりを歌に乗せると、ことばの最後の音に注意が向きます。たとえば「りんご」と歌ったら、次の人が「ご」から始まることばを歌い継ぎます。テンポのよい手拍子を入れながら、一人ずつ順番に歌うと、ことばを探す時間も楽しいゲームになります。詰まったときは大人が助け舟を出し、「ごりら」「ごはん」など、いくつかの選択肢を見せてあげると流れが止まりません。ことばが出てこない子には、絵カードを使うのもおすすめです。

大人の歌い方で気をつけたいこと

  • ことばの一つひとつが聞き取れるよう、口を少し大きめに動かす
  • 速すぎず、子どもがついてこられるテンポにする
  • ことばの終わりを、はっきり丁寧に歌う
  • 息継ぎのところで間をとり、子どもが続きを口にする余白をつくる

子どもは大人の口の動きや声の出し方をよく見ています。ことばをていねいに届ける歌い方は、そのまま子どもの手本になります。

絵本と歌をつなぐ読み聞かせの工夫

絵本と歌は、組み合わせることで楽しみが広がります。難しい準備は要りません。

  • 繰り返しのある絵本は、リズムをつけて読むと、歌のように楽しめます。
  • 歌になっている絵本を、大人がゆっくり歌って聞かせます。
  • 絵本に出てきた動物や乗り物のことばを、替え歌に取り入れます。
  • 読み終えたあと、好きなページを歌でふり返ります。

「このページの歌、もう一回」と子どもがリクエストするようになれば、ことばへの親しみが育ち始めたサインです。同じ絵本を何度も読むのも、ことばの形を味わう大事な時間として見守ってあげてください。

ことばのカード遊び

紙に動物や食べ物の絵を描いた、手作りのカードも役立ちます。カードを1枚引いて、そのことばを歌詞に入れて短い歌を作ります。「ねこ」のカードなら、「ねこがね、にゃーおと歩いたよ」と、知っているメロディに乗せるだけです。カードを引く順番を子どもに任せると、遊びの主役が子どもに移ります。慣れてきたら、2枚のカードをつなげて、ひとつのお話にする遊びに広げられます。

カードを家族みんなで作ると、絵を描く時間もことば遊びの一部になります。作ったカードは箱にためておくと、いつでも取り出せる「ことばの宝箱」になり、雨の日や移動中の遊びにも役立ちます。

歌詞の意味を話すときの声かけ

歌詞の意味を話し合うのも、ことばを広げる楽しい時間になります。ただし、問い詰める形にならないように気をつけます。

  • 「この歌、どんな気持ちかな」と、感想を聞く形にする
  • わからないことばが出てきたら、「どういう意味だと思う?」と一緒に考える
  • 子どもの答えが違っていても、「そう思ったんだね」と一度受け止める
  • 大人の言葉でまとめすぎず、子どもの想像を楽しむ

子どもの答えの中には、大人が思いつかない豊かな発想が含まれていることがあります。歌詞の意味に、ひとつだけの正解を決めない姿勢が、ことばを自由に使う気持ちを育てます。

無理なく続けるための工夫と、続け方のカレンダー

歌とことばの遊びは、短い時間でも続けるほど楽しみが深まります。次のような曜日の目安を使うと、続けやすくなります。

曜日遊び時間の目安
月擬音語の歌で体を動かす5分
水名前入りの替え歌5分
金絵本のお気に入りページを歌う5分
週末家族みんなで好きな歌を一曲気分に合わせて

うまく進まない日は、休んでも大丈夫です。子どもが乗り気なときに、数分だけ楽しむ形を基本にしてください。大人がまず楽しそうに歌うことが、いちばんの誘いになります。

専門家と一緒に、声とことばを育てる

GOLDEN AGE PROGRAMは、幼児から小学生のための「声・音楽・英語で話す力」のプログラムです。歌とことばを入口に、聞く・歌うから話す、表現するへと、遊びの中で一歩ずつ進みます。講師はVOICE TRAINER ACADEMYで学んだ認定講師で、声の指導はたーなー先生のメソッドが基になっています。ご家庭ではオンラインで全国から受講できます。

お子さんの興味や、家庭での歌の楽しみ方をお聞かせいただくところから、受講までの流れが始まります。GOLDEN AGE PROGRAMについて聞いてみる

よくある質問

歌だけでことばが育ちますか?

ことばは、日常の会話・絵本・遊びなど、いろいろな場面で育っていきます。歌はそのひとつとして、ことばに楽しく触れられる場面です。

歌詞を覚えられない子には、どうすればよいですか?

全部を覚えるより、好きなフレーズをひとつ覚えるところから始めてみてください。繰り返し聞く中で、少しずつ口が追いつきます。

英語の歌でもよいですか?

もちろんです。ことばの音やリズムの楽しさに触れる入口として、日本語の歌と同じように楽しんでみてください。