音あそび
音のおはなしづくり|身近な音から物語をつくる親子あそび
扉の音、水の音、足音。身近な音をつなげると、一つの物語になります。耳と声と想像力を一緒に使う、親子のおはなし遊びです。
音のおはなしづくりとは、声や身近な物の音を使って、短い物語を作る遊びです。絵本のページをめくる代わりに、「トントン(扉の音)→ ガチャ(開く音)→ ひたひた(歩く音)」のように、音をつなげて場面を表します。道具は家にある物だけで、準備にほとんど時間がかかりません。この記事では、遊び方を段階ごとに紹介します。
音のおはなしが育てるもの
この遊びでは、子どもの耳、声、想像力が同時に動きます。音を出すには、その音がどんな響きなのかをよく聞く必要があります。物語を作るには、音の並びから場面を思い浮かべなければなりません。耳で聞き、頭で想像し、声や物で表す、という流れが自然に一つの遊びの中にそろっています。
また、答えが一つに決まっていないところも、この遊びの良さです。同じ「ドンドン」という音でも、ある子は太鼓の音、別の子は大きな足音、また別の子は雷の音と考えます。違う答えが出ることを、お互いに面白がれる雰囲気が生まれます。
GOLDEN AGE PROGRAMは、声と歌、耳とリズム、英語で話す力、表現と舞台を、遊びの中で一歩ずつ育てることを大切にしています。音のおはなしづくりは、そのうち「耳とリズム」と「表現」をつなぐ遊びとして、家庭でも気軽に試せます。
はじめる前に:音の材料を集める
最初に、家の中で出せる音を探す「音さがし」をします。子どもと一緒に家を歩きながら、叩いたり、こすったり、振ったりして、いろいろな音を試しましょう。見つけた音には、子ども自身が名前をつけます。
| 道具 | 出せる音 | おはなしでの使い方 |
|---|---|---|
| 空き箱 | ポン、トントン | 扉をたたく音、足音 |
| 紙 | くしゃくしゃ、さらさら | 落ち葉を踏む音、風の音 |
| 水の入ったコップ | ちゃぷちゃぷ、チン | 雨、川、ガラスの音 |
| お米を入れた容器 | ざあー、しゃかしゃか | 雨、波、風 |
| 手と声 | パチパチ、ひゅー、ごろごろ | 拍手、風、雷 |
道具は、危なくない物を選びます。ガラスのコップなど割れる物は、大人が持つか、プラスチックの物に替えてください。声と体だけでも十分に遊べるので、道具が少なくても心配はいりません。
遊び方:三つのレベル
レベル一:音当てクイズ
子どもが目を閉じて、大人が出した音を当てるクイズです。当たったら交代して、子どもが出す側になります。音を聞き分ける力が育ち、物語に使える音の引き出しも増えます。
レベル二:音をつなげて「どこでしょう」
三つの音をつなげて、場面を当てるゲームです。「ざあー、ぱしゃぱしゃ、ごろごろ」と聞こえたら、雨の中を歩いて雷が鳴る場面かもしれません。答えは自由で、聞いた子が思い浮かべたことを話します。大人は「そう聞こえたんだね」と受け止め、正解や不正解を決めません。
レベル三:音のおはなしを作る
三つから五つの音を並べて、一つの短い物語にします。作り方は次の通りです。
- 登場人物を決める(動物、おばけ、家族など)。
- どこで何をするかを決める(森で探検、台所でおやつ作りなど)。
- 場面ごとに、合う音を一つ選ぶ。
- 音を順番に出しながら、大人が短いナレーションを添える。
- 最後に、子どもが「おしまい」の音を決める。
たとえば、「うさぎが森へ出かける」というお話なら、トントン(扉)、さくさく(落ち葉)、ちゃぷちゃぷ(小川)、ぴょん(ジャンプ)、ぐうー(お腹の音)という並びが作れます。最後のお腹の音で、みんなが笑顔になるでしょう。
物語づくりで子どもが迷ったときは、「そのあと、どうなったかな?」と問いかけるのが効果的です。大人が筋書きを決めてしまわず、次の音を子どもに選んでもらいます。「どんな音がしそう?」と聞くだけで、子どもは耳の奥で音を探し始めます。
| つまずき | 直し方 |
|---|---|
| 音が思いつかない | 家の中を一緒に歩き、触って出る音から選ぶ |
| 物語がまとまらない | 音を三つに減らし、「はじまり・まんなか・おしまい」の形にする |
| 同じ音ばかり使いたがる | その音が好きな気持ちを受け止め、「次は違う音も混ぜてみよう」と誘う |
| 大きな音を出しすぎる | 「小さく出す版」に挑戦して、音の大きさを変える遊びに変える |
音の遊びは、夢中になると音量が上がりがちです。始める前に、「今日はどのくらいの大きさまで使う?」と、使う音の大きさを子どもと決めておくと安心して遊べます。集合住宅などでは、ささやき声や小さな音だけで物語を作る「ないしょのおはなし」にすると、静かな夜にも楽しめます。
声だけで作る音のおはなし
道具がなくても、声と体だけで音のおはなしは作れます。声で出せる音は意外とたくさんあります。
- 風の音は「ひゅーひゅー」と、息を細く出します。
- 雨の音は「ぽつぽつ」と舌を弾きながら、小さな声で。
- 雷の音は「ごろごろ」と喉を低く震わせるように、大きな声で。
- 足音は「てくてく」「どすどす」と、歩き方に合わせて。
- 動物の鳴き声は、特徴をつかんで、大げさに出してみます。
声で音を出す遊びは、そのまま声の高さ、強さ、長さを自分で変える練習になります。「ごろごろ」を小さく、だんだん大きく、また小さくと変化させると、声のコントロールを楽しみながら体験できます。
年齢に合わせた楽しみ方
| 年齢 | おすすめの遊び | 大人の関わり方 |
|---|---|---|
| 2〜3歳 | 音当てクイズ、動物の声まねを物語にする | 大げさに反応して、音を出すこと自体を楽しませる |
| 4〜5歳 | 三つの音をつなぐ、短い物語作り | 子どもが選んだ音を採用し、ナレーションで補う |
| 小学生 | 五つ以上の音で物語を作る、録音して聞かせる | 聞き手になり、感想を具体的に伝える |
小学生なら、作った音のおはなしを録音して、家族や友だちに聞かせる発表会も楽しめます。声と音だけで物語が伝わったときの喜びは、大きな自信になります。録音を聞き返して、「ここの音をもう少し長くしよう」と工夫するのも、表現を磨く大切な時間です。
家庭では、寝る前の時間にも向いています。電気を少し暗くして、ささやき声でおはなしをつくれば、一日の終わりの穏やかなひとときになります。絵本の代わりに、その日にあった出来事を音で再現する「今日のおはなし」も、親子の会話が弾むのでおすすめです。
園や学童で取り入れるとき
園や学童では、グループごとに音の道具を持ち寄り、みんなで一つの物語を作る活動が盛り上がります。一人が一つの音を担当して、物語に合わせて順番に音を出していくと、全員が同じ物語の一部になります。
自分の番を待つ、友だちの音を聞く、合図に合わせて出す、といった動きは、集団で音楽を楽しむための大切な土台です。クラスの時間や行事に合わせた音楽の取り入れ方は、GOLDEN AGE PROGRAMの導入の相談の中でも一緒に考えられます。
声や歌のことを相談してみませんか
GOLDEN AGE PROGRAMは、幼児から小学生のための「声・音楽・英語で話す力」のプログラムです。家庭にはオンラインで全国から、幼稚園・保育園・学校には導入の相談から対応しています。講師はVOICE TRAINER ACADEMYで学んだ認定講師です。耳を育てる遊びや園での取り入れ方など、聞いてみたいことがあれば、希望をうかがうところから始められます。