舞台を楽しむ

舞台を見に行く前の親子の予習あそび|ミュージカルを子どもと楽しむ準備

 文:GOLDEN AGE PROGRAM 編集部/監修:たーなー先生(田中直人)

舞台を見る楽しさは、見る前から始まっています。声と体で小さな場面を試しておくと、当日の舞台がぐんと身近に感じられます。

子どもとミュージカルや地域の舞台を見に行くなら、前もって「声と体で遊ぶ予習」をしておくのがおすすめです。大きな声、小さな声、気持ちを表す動き、拍手のタイミングなど、舞台で出会う場面を家庭で小さく試しておくと、当日は構えずに楽しめます。ここでは、見に行く前の日々で親子ができる予習あそびを、順を追って紹介します。

見る前の予習が、舞台を身近にする

初めての舞台は、子どもにとって「知らないことだらけ」の場所です。暗くなる客席、大きな音、見知らぬ人々の動きと声。わくわくする一方で、戸惑う子もいます。前もって舞台の様子を遊びで体験しておくと、当日に出会う場面が「知っているもの」に変わります。

予習は、教えるのでなく遊ぶ形が合っています。「静かに見るのよ」と伝えるより、「舞台ごっこ」をして、見る側も演じる側も体験するほうが、子どもは自然に楽しみ方を覚えます。

伊豆山では、2025年の市民ミュージカル(123ミュージカル)に、伊豆山小学校の子どもたちも参加しました。GOLDEN AGE PROGRAMは、声と歌、耳とリズム、英語で話す力、表現と舞台を、遊びの中で一歩ずつ育てることを大切にしています。舞台は、その歩みの先にある楽しみの一つです。

予習あそび一:声の準備運動

舞台では、役者の声が客席の奥まで届きます。子どもが「あんな大きな声が出せるんだ」と感じられるように、家で声の遊びを試しておきましょう。

  • 山びこごっこ:「やっほー」と大きく言い、大人が小さく返します。声が遠くへ届く感覚を楽しみます。
  • ひそひそ劇場:ささやき声で、お芝居の一場面をやってみます。小さな声でも、気持ちは伝わることに気づけます。
  • あいさつリレー:「おはよう」を、うれしい声、びっくりした声、ねむい声と、気持ちを変えて言います。

声を出す前に、肩をゆらしたり、深呼吸したりして体をほぐすと、のびやかな声が出ます。遊びの中で自然に取り入れてください。

予習は、見に行く日の一週間前から、毎日五分ずつ続けるくらいがちょうどよい量です。一度にたくさん詰め込むと、子どもは楽しさより疲れを感じてしまいます。「今日はどの遊びをする?」と子どもに選んでもらうと、自分から取り組む気持ちが育ちます。

予習あそび二:体で気持ちを表す

舞台では、言葉だけでなく、体の動きで気持ちを表現します。家庭で「動きだけで気持ちを伝える」遊びをしておくと、舞台上の役者の動きにも気づけるようになります。

気持ち体の表し方見るときのヒント
うれしいぴょんぴょん跳ねる、両手を広げる役者が跳ねたら、うれしい場面かもしれない
かなしいうつむく、肩を落とす歩き方がゆっくりなら、気持ちが沈んでいるのかも
おどろく目を見開く、一歩下がる急に動きが止まる場面に注目する
わくわく身を乗り出す、手をこすり合わせる期待が高まる場面の動き方を探す

大人と子どもで交代しながら、動きだけで気持ちを当て合います。当日の舞台で、「あの人、さっきの遊びと同じ動きをしていたね」と気づければ、見る楽しさがさらに広がります。

予習あそび三:舞台の流れをごっこにする

舞台には、始まりの合図、拍手、休憩、カーテンコールなどの流れがあります。家庭で「舞台ごっこ」をして、一連の流れを体験してみましょう。

  1. 部屋の電気を少し落とし、「はじまるよ」と合図します。
  2. 子どもが観客、大人が演じる側になり、短いお話を見せます。
  3. 終わったら、子どもが拍手をします。拍手のタイミングを体験する大切な時間です。
  4. 役割を交代して、今度は子どもが演じる側になります。
  5. 最後に、お互いに「どこが楽しかった?」と感想を伝え合います。

演じる側を体験すると、舞台の上の人が「見られている」緊張の中で頑張っていることが分かります。拍手の気持ちも、自然に育ちます。

年齢別の予習のポイントと、困ったときの対応

お子さんの年齢や好みに合わせて、予習の内容を選びましょう。

  • 2〜3歳のお子さん:音楽や歌を中心に楽しむ予習がおすすめです。歌を一緒に口ずさむことと、拍手の練習から始めてみましょう。
  • 4〜5歳のお子さん:登場人物のまねっこ遊びを多めに入れると、当日のお話がぐっと身近になります。
  • 小学生:「どうやって場面が変わるのかな?」と、見るときの観察の視点を一緒に考えると、舞台の仕組みも楽しめます。
困った場面対応のしかた
暗い場所が苦手家で電気を少し落とす練習をして、暗さに慣れておく。会場では通路に近い席を選ぶ
じっとしているのが難しい「見る目」「聞く耳」「静かな口」と体の部分に分けて、遊びのルールにする
大きな音にびっくりする予習で大きな音の遊び(太鼓など)を試し、「音が来るよ」と心の準備を一緒にする
お話が分からなくなる終わってから、好きだった場面だけを一緒に思い出す。全部分かる必要はない

舞台が初めてのお子さんには、どんな結果でも「見に行けたこと」自体を認めてあげてください。途中で席を離れても、最後まで見られなくても、会場の雰囲気を体験したこと自体が、次の機会への一歩になります。

見に行くことが決まったら、チケットや案内を子どもと一緒に見て、カレンダーに印をつけておくのもおすすめです。「あと何回寝たら舞台かな」と指折り数える時間が、楽しみを育てます。当日の服や持ち物を子ども自身に選ばせると、自分で準備した気持ちが芽生えて、気持ちがより舞台へ向かいます。

当日の過ごし方と、見たあとの時間

当日は、会場に早めに着いて、座席や雰囲気に慣れる時間をとると落ち着いて見られます。子どもが途中で疲れたり、声を出したくなったりしたら、無理をせず休憩を取りましょう。会場のルールや休憩の取り方は、事前に主催者の案内を見ておくと安心です。

見終わったあとは、感想を聞く時間が大切です。「いちばん好きな場面はどこ?」「どの声が面白かった?」と、答えやすい問いかけをします。子どもが話しやすいのは、家に帰る道や、おやつの時間などリラックスしたときです。

さらに、見た舞台の一場面を「ごっこ」で再現すると、記憶に残った部分がよく分かります。好きな歌の一部を歌ってみたり、印象的な動きをまねしたりと、遊びが次の遊びを呼びます。見る体験が、自分でも表現してみたいという気持ちにつながっていきます。

声や歌のことを相談してみませんか

GOLDEN AGE PROGRAMは、幼児から小学生のための「声・音楽・英語で話す力」のプログラムです。内容は声と歌、耳とリズム、英語で話す、表現と舞台の四つで、舞台では市民ミュージカル123MUSICALなどにもつながります。家庭にはオンラインで全国から、幼稚園・保育園・学校には導入の相談から対応しています。講師はVOICE TRAINER ACADEMYで学んだ認定講師です。表現や舞台のことで聞いてみたいことがあれば、希望をうかがうところから始められます。

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