声と歌

子どもの滑舌を楽しく育てる|早口ことばとことば遊びの進め方

 文:GOLDEN AGE PROGRAM 編集部/監修:たーなー先生(田中直人)

早口ことばは、競争にしないほど盛り上がります。口をほぐす準備から、年齢に合わせた遊び方、声かけまでを、家庭でそのまま使える形でまとめました。

早口ことばは「競争」にしないほうが続く

結論からお伝えすると、子どもの滑舌は、早口ことばを「速く言えたら勝ち」にせず、口を動かす楽しさを味わう遊びとして続けるのがおすすめです。言い間違えて笑い合える雰囲気があるほど、お子さんは何度でも挑戦したくなります。

早口ことばというと、長い文を一気に言う練習のイメージがあるかもしれません。けれど幼い子にとっての入口は、もっと小さなものです。「ぱぴぷぺぽ」と口をはじく、「らりるれろ」と舌を動かす。音そのものを面白がるところから始めると、自然に口まわりが動くようになります。

GOLDEN AGE PROGRAMは、声と歌、耳とリズム、英語で話す、表現と舞台を育てたいこととしています。その根っこにあるのは、聞く・歌う、そして話す、表現する、と遊びの中で一歩ずつ進む考え方です。ことば遊びは、その「話す」への小さな入口になります。

ゴールデンエイジは、子どもが見たもの聞いたものを驚くほどの速さで吸収する時期だといわれています。お手本の口の形を目で見て、音を耳で聞いて、まねして出す。この循環を、家庭の遊びの中でたっぷり体験できます。

はじめる前の準備:口と舌のウォームアップ

早口ことばの前に、口まわりを軽くほぐしておくと、気持ちよく出せます。体を動かす前の準備運動と同じ考え方です。短く、笑える形でやるのが長続きのコツです。

  1. ほっぺ体操:ほっぺたを大きくふくらませて、ぷしゅーと空気を出す。次に、ほっぺたをすぼめて魚の顔をつくる。
  2. ベロ体操:ベロをべーっと出して、上、下、右、左にゆっくり動かす。鏡を見ながらやると、動きがよく分かります。
  3. リップブルブル:唇を軽く閉じて、ぶるぶると震わせながら、「ぶるるる」と声を出す。のびのびと息が流れる遊びです。
  4. 大きなお口で「あいうえお」:口の形をはっきり変えながら、ゆっくり言う。鏡の前で、大人と顔を見合わせながらやると盛り上がります。

ウォームアップは、全部で一分から二分もあれば十分です。顔の体操なので、思い切り変な顔をするほど笑いが生まれ、緊張もほぐれます。大人が先に全力でやって見せると、お子さんも安心してまねできます。

音をひとつずつ味わう「音あそび」から

早口ことばに入る前に、一音ずつを楽しむ段階があります。ここを丁寧に遊ぶと、ことばの組み合わせが一気に楽しくなります。

音のグループ遊び方の例楽しみ方のヒント
ぱ行(唇をはじく)「ぽんぽんぽん」と風船をつくように言う手のひらを口の前に置き、息が当たるのを感じる
た行・だ行(舌先を上に)「たんたんたん」と太鼓をたたくように言う実際に机をたたいて音と合わせる
ら行(舌が回る)「るんるんるん」とスキップしながら言う体を弾ませると、舌の動きも軽くなる
か行・が行(のどの奥)「かんかんかん」「がたんごとん」と電車ごっこリズムに乗せて、声を出す
さ行(すき間から息)「さーさーさー」と風が吹く音をまねる歯のすき間から出る息を感じる

音あそびは、意味のあることばにしなくて構いません。擬音(ぴょんぴょん、ごろごろ、ちゅるちゅる)を使うと、幼児でも自然に口が動きます。絵本の擬音を一緒に声に出すのも、手軽でおすすめです。

年齢別の早口ことば遊びの進め方

同じ早口ことばでも、年齢によって楽しみ方が変わります。お子さんの様子を見ながら、少し易しめの遊びを選ぶのが成功のコツです。

2歳から3歳ごろ:まねっこ中心

ことばを言い切ることよりも、大人の口の動きを見てまねることを楽しむ時期です。「ぶーぶー」「ぱくぱく」「ころころ」など短い擬音を、動作と一緒に遊びます。うまく言えなくても、まねしようとする気持ちを「いいね、そっくり」と受け止めましょう。

4歳から5歳ごろ:短いフレーズでリズム遊び

「なまむぎ なまごめ なまたまご」のような、昔から親しまれてきた短い早口ことばに挑戦しやすくなります。最初はゆっくり、手拍子に合わせて一語ずつ。慣れたら、少しずつ速くしていきます。家族の名前や好きな食べ物を入れて、オリジナルの早口ことばをつくるのも盛り上がります。

小学生:言い方を工夫して遊ぶ

小学生なら、同じ早口ことばを、いろいろなキャラクターの声で言い分ける遊びが楽しめます。怒った声、泣き声、ヒーローの声など、表情をつけて言うと、聞く人にも伝わる話し方の練習にもなります。教科書の音読の前に、一回だけ早口ことばを入れる、という使い方も気分が切り替わっておすすめです。

年齢の目安おすすめの遊びひと言ポイント
2〜3歳擬音まねっこ、ほっぺ体操言えなくても、まねようとしたらOK
4〜5歳短い早口ことばを手拍子で、オリジナルことばづくりゆっくりから、少しずつ速く
小学生声色を変えて言い分ける、音読前のひと言速さより、伝わる楽しさを大事に

言い間違えたときの声かけ

早口ことばは、言い間違えるからこそ面白い遊びです。間違いを指摘されると、お子さんは楽しい気持ちがしぼんでしまいます。反対に、一緒に笑える雰囲気だと、どんどん挑戦したくなります。

  • 「あれ、舌がくるっと回っちゃったね」:失敗を、舌のいたずらとして笑いに変える。
  • 「もう一回、ゆっくりでやってみよう」:やり直しを提案するときは、「ゆっくり」を合言葉にする。
  • 「さっきより上手に言えたところがあったよ」:完璧さではなく、前より良くなった部分を見つけて伝える。
  • 「じゃあ、パパ(ママ)にも言わせて」:大人も盛大に噛んで見せる。大人の失敗は、お子さんの安心につながります。

特定の音がうまく出ない様子が続くと、心配になることもあると思います。その場合は、遊びの中で直そうと急がず、かかりつけの小児科や、ことばの専門家にご相談いただくと安心です。家庭の遊びは、あくまで楽しい時間として続けましょう。

日常に溶け込ませる、一日一回のことば遊び

早口ことばは、特別な時間をつくらなくても、生活の中に置けます。ちょっとした待ち時間や移動の合間に、一回だけ遊ぶのが続くコツです。

  • 朝の支度のあと:ウォームアップを一分。ほっぺ体操とベロ体操だけでも十分です。
  • お風呂の中:声が響くので、「あいうえお」や擬音遊びがよく合います。
  • 夕食の前:家族みんなで、その日のお題の早口ことばを一回ずつ。笑い声が食卓の雰囲気を明るくします。
  • 寝る前の絵本:擬音のところだけ、お子さんが声に出す役になる。

お題を家族でつくるのもおすすめです。「きょうのお題は、おばあちゃんのおいしいおにぎり」のように、その日にあった出来事や好きなものを入れると、お子さんはことばを自分のものとして楽しめます。声に出して楽しむ経験の積み重ねは、後の音読や発表、舞台での表現にも、きっと生きてきます。

声と話す力を、遊びの中で育てたいときは

GOLDEN AGE PROGRAMは、幼児から小学生のための「声・音楽・英語で話す力」のプログラムです。家庭はオンラインで全国から参加でき、講師はVOICE TRAINER ACADEMYで学んだ認定講師です。声の指導の基には、たーなー先生のメソッドがあり、聞く・歌う、話す、表現する、と遊びの中で一歩ずつ進みます。

回数や料金は、お子さんの年齢とご希望をうかがってからご案内します。まずはお話ししたい、様子を聞いてみたいという方は、GOLDEN AGE PROGRAMについて聞いてみるからお気軽にどうぞ。